march forward.
りりかの独り言。

2003年10月10日(金) 決壊

ぱちんって。

何かが切れたように。

私は、泣きだした。


いつもの、夜の電話。



会わなくなってもうすぐ3週間。

平気だって言い聞かせてきた。

私は、大丈夫。

毎日電話もしているから。

寂しくなる暇がないんだ。

実際、仕事も忙しいし。

全然、大丈夫。


そう自然に思っていたはずだったのに。



気付いたら、泣きだしていた。




「明日、仕事残業にならないように、頑張るから。早く終われたら会おう。日曜はお互いに仕事だから朝までしかいられないけど」

あいつが、そう言った。

私は。

「無理しないでいいって」

と、言う。

この数日で何回、この言葉言っただろう。


無理しなくても平気、私なら寂しくないから。


そう思っていた。



「無理しないで、無理しないでって。無理でもしなきゃ会えないんだよ。会いたくて仕方ないって思っているのは、俺だけなわけ?」

すごく、キツイ声で言われた。

怒っているような。・・・ような、じゃなく、怒っている声で。



胸が、縮んだみたいに、痛くなる。

きゅって、痛い。


「無理しないでって言いたいのは、俺だよ。平気平気、寂しくない、って無理して気を紛らわせているのは、りりかじゃないの?」

少しずつ、優しくなって、いつもの声になって来る。

「ぎゅーってね。抱きしめたいの。寝ているとき、りりかが一緒に寝ていたら、こんな風に後ろから抱きしめているんだよな、とか。勝手に妄想しちゃって」

「明日、会いに行くから。でも約束は出来ないんだけどね・・・。残業になったら、OUTだから」


「無理させちゃって、ごめんね。りりかが仕事に逃げなきゃいけないくらいに、会えなくてごめん。会えたら、たくさん、甘えていいから」


それで私は、気付いたら泣いてた。

今まで強がっていたのが。

一気に決壊した感じ。

寂しいって言う気持ちを止めておいた壁が。

一気に外れたと言うか。



会えないことに対する寂しさから逃げ出したくて。

ずっと仕事三昧だった。

仕事が夕方や夜早い時間に終わる日は。

その後に予定を入れたりして、考えないようにしてた。

おかげで風邪までひいて、大変な思いもしたけれど。

それでも、私は休んで家にいるって言う事が嫌で。

辛くても何でも仕事に出ていた、今週。

そう言えば何度も何度もあいつに怒られたっけ。

「代わりならいるだろ?休めってば!」



職場の人や、友達や。

みんな「会わなくても平気そうだね」って言ってた。

「うん、毎日電話してるしね」って、平気だと自分でも思ってた。



平気じゃ、なかったんだなぁ。

泣きながら、そう思った。

寂しくて死んじゃうんじゃないかと思うくらいに。

胸が痛くて。




結局。

私から会いに行くことにした。

あいつが仕事終わるより、私の方が早く終わるから。

残業がなかったら、電話して。と、私は言った。


電話を切る前。

「もし、残業になっちゃったら、本当にごめん!!」

って謝られた。

「絶対に嫌。嫌だから」

なんて、珍しくわがままも言ってみた。



明日、会えますように。

そう願いながら、眠りについた。


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