march forward.
りりかの独り言。

2003年10月11日(土) 私の逃げ道

仕事が終わると同時に、あいつから着信。

だめかな、だめかな?って思いながら電話に出た。

私の悪い癖。

いい事を考えるより、悪い事を考える。

悪い事を考えておいた方が、いい結果だった場合嬉しさが大きい。

逆だと・・・ものすごく凹むから。



「はい?」

「今終わったー。これから家に帰るから、つくのは七時半くらいかな。そっちは?」

「私も今終わった所。これから着替えて出るね」



何か、ドキドキする。

久しぶりすぎちゃって、ドキドキする。

会ったらこうしよう、ああしよう、この話をしよう、そして、話を聞かせてもらおう。

そんな風に、思いながら運転する。

3連休初日で道は混んでいたけど。

考えながら運転していたせいか。

あっという間に高速に乗って、あっという間についた気がする。



あいつの家まで迎えに行って、運転を替わってもらって、出かける。

「久しぶり」

頭を撫でられる。




久しぶりに酔うまでお酒を飲んだ。

咳が出ているから、あんまり飲んだらだめだよ、って言われてたのに。

安心しきって、どんどん飲んじゃった。


「今度会えるのはいつ?」

下が回らない状態で、私は聞いた。

「いつ、ってはっきり約束は出来ない・・・ごめんね」

「嫌!分からないの、いやだよ。寂しいのも嫌なの」

「ごめんって・・・」

「あなたの事が、こんなに好きじゃなかったら、こんなに寂しくならないのに・・・。どうやったら嫌いになれるんだろう。どうやったら、寂しくならないんだろう?」

「そんな風に言うなよ」


私は、泣いて抱きついた。

お酒の勢いもあって、ものすごく声をあげて泣いた。

強い振りするの、疲れたよ。

そう言って、泣いた。


あいつは、謝る変わりに。

「愛してる。りりか、愛してる」

って何度も言った。

私は、そう言われるたびに、強く抱きついて泣いた。




妹に。

「一緒に暮らしちゃえばいいのに」

って、よく言われる。

言うのは簡単だ。

実際、一緒に暮らそうと思えば、出来ない事もない。


こんな風に寂しくて泣いて、困らせて泣いて。

そう言うのなくなるんだから、一緒に暮らすのっていい点ばかりが見える。

なのに。

私に出来ないのは、何でだろう?

何で、一緒にいたいと思えているのに。

飛び込んで行けないんだろう?

何が引っかかるんだろう?





泣き止んでからも、しゃくりあげている私をソファーに座らせて。

自分は下に座って、私の腰の当たりに抱きついて来た。

ぎゅって私のお腹に顔をうずめて。

しゃくりあげながら、私が頭を撫でていたら。

お腹の所が暖かくなって。

あいつも泣いているんだって、気付いた。


寂しい思いしていたのは、りりかだけじゃない。


そう、言われている気がした。

だから、頭をぎゅって抱きしめた。

上から抱えるような感じで。


あいつは、おなかに顔をうずめたまま。

「忙しいのはずっと続くわけじゃない。こうして遠距離で我慢していられるのも、ずっとは続かないよ。早く、俺との生活の中に入って来てください」



うん、って言いたかったのに。

言葉が出なかった。

答えられなかった。




よく分からないんだけど。

私はこう言うとき、返事を出来なかった事の反省なのか、罪悪感なのか。

セックスをする方向へ持って行く。

私もソファーから降りて、下に座り。

自分からキスをする。




あいつとのセックスは。

ここを、こうして欲しい、ああして欲しい。


そんな事言わないでも、あいつは私がどうしたら感じるのか分かっていて。

感じすぎる怖さに、私が体を硬くしていても。

「大丈夫?力抜いてみて」

とか耳元で声をかけてくる。

私は、我慢している事が、気持ちいいのか苦痛なのか、分からなくなる。

頭の中がどんどん真っ白になって行って。

「もうだめだってば。お願いだから・・・おかしくなっちゃうから・・・」

「どんどんおかしくなっていいよ」

って、あいつのちょっと微笑を含んだ声を聞くと、意識が遠のいて行く。



こうしているときだけ。

私は、現実のいろいろな事とか、どうでもよくなる。


それが例え、「逃げ」と言うものだとしても。


 < back  INDEX  next>


りりか [MAIL]

My追加
エンピツ