march forward.
りりかの独り言。

2003年08月15日(金) 捉え方

あいつの家につくと、小雨の中あいつが表で待ってた。

「ここに車停めて。俺の車で行こう」

いつも通りの、会話。

でも、あたしは。

「今日はあたしの車でいいから。乗って」

と言った。

「なんでだよー?りりかの車を入れやすいように場所も空けたのに」

「いいの」

「・・・わかった、なら俺の車、立体にしまわなきゃだから待ってて」




どこに行くかなんか決めてなかったし。

だいたい、土地勘がないから、分からないし。

ぶらぶら走らせて、コンビニに停めた。


あいつはと言えば。

コンビニで率先してお茶を買いに行ってくれて。

車の中でも、ものすごく明るい。

無理矢理、テンションをあげているって言う感じで。


あたしが何で来たのか、察しているんだなぁ。


そう思った。




「俺も話があるんだよ」

「なに?」

「りりかを褒めなきゃ」

「褒める?何で?」

「だって、土日が仕事になっちゃって、明日休みになったんだもん」

「え?」

「だから、今日来てくれて好都合だったって事。まぁ、りりかが来なかったとしても、俺から行ってたけど」

「そか」

「うん、で、りりかの話ってなあに?」




仕事が手につかなかったって事から。

色々考えた結果。

あたしがここ(あいつの地元)に来る来ないって言う話は。

これからも何度も何度も出るだろうし。

そのたびに、喧嘩になり、仕事は手につかなくなり。

そんなの、やっぱりだめだと思う。

なら、どうしたらいいの?

あたしが、ここへ来ればいいの?



ここへ来る前。

子供たちと会ってきた。

その時、凄く思った事が。

やっぱり今以上子供たちと距離が出来るのは、嫌だ。

と、言うことだったから。

やっぱり「当分あなたの傍には行けない」と言う考えは変えられず。



そうなると、結論は「別れる事」なんじゃないかな。

あなたの精神的な事を考えると。





「りりか、飛躍しすぎ」

そう言って、あいつはあたしの頬をつまんだ。

「別れるなんて、絶対に嫌だ。りりかは、別れたいの?」

首を横に振るあたし。

「でも、その方があなたのためなのかな、と思って」

「言い方だよ。あの時りりかは、行きたくないって言ったんじゃん?行けない、とかじゃなくて。来たくないの?俺の傍に来るのいや?」

やっぱり首を振る。

「でしょ?でも、あの時は俺も酔っていたし、行きたくないなんて思ってるはずないって思いつつも、そう考えちゃって。あんな大きな喧嘩になっちゃって」

「うん」

「りりかが、さ。行けない、行きたくない、じゃなくてさ。いつかは行くからね。って言ってくれたら、いい事なんだよ?」




あたしが黙っていたら。

「俺はそう信じて、こんなに頑張っているんだからさ」

って、笑いながら、頭を撫でられた。

「だから、この話は、おしまい。ね。一緒にいよ。これからも、ずっとずっとよろしくね」



捉え方の問題、だとあいつは言う。

出来ない、出来ない、無理無理、ばかりじゃなくて。

(今は出来ないけど)いつか必ず出来る。

そう言ってくれた方が、気分の重さが違うんだよ?って。



いつか必ず。

一緒に暮らす事が。

出来る日が。







今はまだ不安定だけど。


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りりか [MAIL]

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