march forward.
りりかの独り言。

2003年04月04日(金) 29歳の誕生日

朝10時頃、支度してたら。

「ちょっと買い物に行ってきていい?11時までには戻るから」

とか、あいつが言い出した。

「えぇー?もうあたし支度終わるのに?買い物?何でよ!」

「りりかの誕生日プレゼント買いたいんだもん」

「いいよー。マジでいいってば」

「でも、前から決めてたもの買うだけだし、待ってて!ごめん!!」


大慌てで、あいつは出て行って。

11時5分前に戻ってきた。



「なかった・・・」

「何を買いに行ったの?」

「白と赤のバラの花束」

「バラ??何でいきなり?」

「前に心理テストやったじゃん・・・あれを思い出してさー・・・」




ずいぶん前に。

友達に心理テストをされた。


・赤いバラと白いバラで花束を作ります。作る花束の、赤と白の対比はどうする?

結果は・・・赤が「尽くしたい度合い」、白が「尽くされたい度合い」


あたしもあいつも「赤が三割、白が七割」という、結果になって。

「りりか、ぴったりだね!」って喜ぶあいつに。

心理テストを出した友達が「合ってる様で合ってないんだよー、その結果じゃ」と言い出した。

「2人とも尽くされたいってのが大きいんじゃ、不満だらけになっちゃうじゃん!」


ちなみにそのお友達は。

彼女が、赤6:白4だったのに対して。

彼は、赤2:白8だったらしい。

だから、まぁまぁいい相性なんだって、言ってた。





それを思い出した、あいつは。

うちの最寄り駅近くの花屋に買いに行ったけど「白いバラって言うのはこんな小さい花屋にはあまり、ないんですよ」と言われて帰ってきたみたい。


「あーあ・・・りりかが喜ぶと思っていたのになぁ。大きい花屋に行く時間がないんだもん・・・」

と、凹んでいた。

あたしは、一緒にこうやって朝から出かける時間を作ってくれたあなたの気持ちだけで、充分だよ、って思う。






11時に家を出て、12時前に到着。

「誕生日なんだから!」

って、パスポートを買ってくれるあいつ。

最初にお昼を食べる事にして。

お昼を食べながら、どうやって回るか決めたりして。

いくつか乗り物に乗ってから、お昼のパレードを見て。

その後、ブラブラ買い物してから、夕飯を食べて。

乗り物乗って。

2人とも、待ちに待った夜のパレード。


去年行ったディズニーシーで見た夜のショーに、とっても感激してたあいつ。



あたしは、どちらかと言うと、こっちのパレードの方が好き。

小学生の頃、来た事がある。

その時に、見たからかな。

あたしの記憶違いじゃなきゃ、あたしが小学生時代に来た遊園地って言うと、ここだけのような気がする。



昼のパレードは立って見れたんだけど、夜のパレードは座って見なきゃいけないらしくて、地面にそのまま座ったんだけど、冷える・・・。

今日は、何だか曇ってばかりで、昼間から寒い一日だった。

夜は、もっともっと寒くて。

座るのはいいけど、地面が冷たい・・・。

中腰やちゃんとお尻を付けて座らない座り方だと、後ろの人に見えないからって注意が流れてた。

仕方ないなぁ・・・って思ってたら。

「これに座りなよー」

って、あいつが自分の上着を敷いてくれた。

「いいよー。だって、H寒くない?」

「これ敷けば汚くないし、冷たくないでしょ。俺は後ろからりりかを抱きしめてるから、暖かいよ(笑)」


あたしは「冷たそう」とか「寒い」とか、一言も言ってないんだけど。

あいつは笑って「りりか寒がりじゃん」って言う。

そういうところが、凄く好きなんだよ、って思う。

何も言わないでも、ちゃんと見てくれているところが。



パレードは、やっぱりきれいだった。

あいつが、何枚も写真を撮ってくれた。

帰り際、シンデレラ城をバックに、二人でも撮って貰った。

あいつは、明日は仕事だから、パレードが終わってすぐに帰る事にして。




家には9時についた。




もっと道が混んでいたらよかった。

コンビニに寄ってとか、遠回りしたいとか、わがまま言えばよかった。

もっともっと、たくさん一緒にいたい。



家の近くまで来てしまって、あたしはそんな事考えてるくせに。

「今日は、本当に楽しかった。ありがとう」

なんて、言う。

あいつは黙って、車を家と逆方向に走らせて。

戸惑っているあたしに、「ドライブだよ、もうちょっとだけ付き合って」と言ってきた。

また、ばれてる、見透かされてる、って思う。




車を停めて。

「りりか、誕生日おめでとう。29歳になっても、よろしくね」

って、一体今日何度目?って思うくらいたくさん言ってくれた「おめでとう」の言葉を、また言ってくれた。



あたしは、やっぱり泣いて。

泣きながら「ありがとう」って言って。

あいつは「泣く止むまで、帰れないじゃんー(笑)」って笑う。

あたしは心の中で「なら、ずっと嘘泣きしてようかな」とか思う。




結局10時半に、あいつは家の前でおろしてくれた。

寂しそうにしてたのが、顔に出ちゃったのか。

「大丈夫だよ、また来るから」

あいつは、笑って頭を撫でてくれた。

あたしは、やっぱりこいつの手で、癒されるんだ、と実感する。




こんな風に、子供みたいに少しの事で、泣いたり、安心したり。

そんなあたしが、29歳。






29歳の誕生日に決めた事は。



「もうちょっと、素直になろう」



あいつに対しては、もちろん。

そのほかにも。

いろいろな事に対して。


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