march forward.
りりかの独り言。

2003年04月03日(木) 1年前と同じ道

仕事を終えて、夕方6時。

あいつから着信。



「今から行くね」

え?今から???

だって、明日仕事が終わってから来てくれるんじゃなかったの?


「うん、前々から明日休ませてって言ってあったんだよ。だから、今夜から行くね」

「ホントにー?嬉しい!でも、大丈夫なの?」

「うん、もしも急遽仕事になったりしたら、明日の明け方帰るから。やっぱりりりかの誕生日になった瞬間に一緒にいたいじゃん」



あたしは、慌てて部屋をかたして。

急すぎるよーなんて思いながらも。

嬉しい気持ちでいっぱいだった。



高速に乗っている途中のあいつからまた電話が来た。

「明日は完璧休みになりましたー。だから、明日はディズニーへ行こう!俺が連れて行くから」




ディズニーシーは去年行ったから。

今回はディズニーランドへ行こうって、あたしが言って。

あいつも、小学生の時に行ったきりだからって。



でも、今月の半ばか終わりだと思っていたから。

こんなに早く行く事が出来るなんて。






あいつは10時前に到着した。

「今外にいるから、出てきて」

って電話が来て。

外に出たら。

「乗って。夜桜見に行こうよ」

って言われた。






去年の3月の終わりに。

一緒に歩いた、あの並木道。

あたしは、あの時。

どんな事を考えていたのかなぁって思った。

まだ付き合って二ヶ月くらいのあたしたち。

確か、あいつがあたしの手をずっとつないでいてくれた気がする。

そんな、つながっている手を、あたしは見ながら歩いてたんだ。



「この手は、いつかは離れてしまうんだろう」

そんな事ばかり、考えながら、歩いていたんだ。



今日も、あいつはあたしの手を握る。

その握ったあたしの手を、自分のポケットに入れる。

あたしは、ポケットの中で、あいつの手を握り返して。



「絶対に、離さないで。離れたくない」

って、思う。






いろいろな事を乗り越えて、二人で話しながら、笑いながら、泣きながら。


また同じ道を1年たっても歩いている不思議。



1年前と同じ景色の中。

でも、あたしが思う事は、1年前とは違う。




繋いだ手が、離れちゃっても仕方ない。


って言う、諦めじゃなくて。



繋いだ手は、絶対に離れない。


って、確信しているから。





長かったような、短かったような。

そんな一年間。


そして、29歳に明日なり、20代最後の一年間は。

どんな年になるんだろう。





「来年も、またこの道を2人で歩いているかな」

「去年も同じ事聞いてたよ、りりかは(笑)」

「そうだっけ?」

「そうだよ。大丈夫だよ、ずっと毎年一緒に歩いているよ」

「約束ね!」


あいつは、笑いながら、あたしの頭を撫でる。

宴会している人とかいるのに、あたしはお構い無しにキスをする。


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