march forward.
りりかの独り言。

2003年04月01日(火) 夜景

ドキドキしながら、メールを待つ。

残業だと分かったら、6時までにメールするから、そのメールが来なかったら出発していいよ、って言われてた。

3時くらいから、そわそわ。



「凄いドキドキするよー・・・。まだ残業か分からない?」




6時までメールが来ませんように・・・。

そんな風に考えてたら。

5時。

あいつのメール着信音。

ドキーンとした。マジで。


「今、終わって家に向かってる。7時くらいにつくかな」






よかったぁぁ。

ホントに安心した。

手が震えたもん。メール見る時。



あたしも、支度して家を出る。

「6時半にはつきそうだよ。運転気を付けてきてね」

あいつは、仕事帰りに高速なんか普段は使わないのに、使って帰ってきたらしい。




高速降りて、あいつの家についたのは7時半。

ちょっと降りてから、迷ったりしたので、30分ロスしちゃったけど。

なんとかつけて、よかったー。

あいつの家にあたしの車を停めて、あいつの新しい車に初めて乗る。

「誰か乗せるの、りりかが初めてだよ」


話には聞いてたけど、大きいー。

高級車って言う感じ。

広いし、椅子も電動だし。




最近日本酒は禁止してたし、久しぶりに日本酒飲みたいって思った。

だから、お酒買ってホテル行こうよ!ってあたしから言った。

あいつも疲れているだろうし、早く寝てもらってもいいし!って。

けど。

「ううん。まずは連れて行きたい場所があるの」




あいつが連れて行ってくれた場所は、夜景のきれいな場所。

あたしが、こう言うキラキラに弱いから。

「昼間から時間があるときなら、桜のきれいな場所とかに連れて行けるんだけどね」

「ううん、ここもすごくいいー」



高層ビルの展望台から見る夜景。

あいつの住む街は、高い建物がない。

だから、高いビルから見る夜景は、小さい光の点がたくさんあるように見える。

前に見た、池袋サンシャインの、高いビルが立ち並ぶ夜景もきれいだったけど。

こういう、小さい明かりがたくさん続いている夜景も、すっごくきれいなんだなぁって、初めて知ったよ。




あたし、窓にずっとへばりついて、見てた気がする。

見ながら。


「あれはどの辺?」

「東京はどっち?」

「あれは何?」


たくさん、質問してた気がする。

「きれいー。すっごくきれい」

も連発してた気もする。




あいつは笑って、あたしを引き寄せて。

「りりか、抱きしめていい?」

って、聞いて来た。

「人いるよ?」

「いいよ、別に」



あたしを抱きしめて。

いつもみたいに、あたしを抱きしめながら、髪を撫でて。

いつもみたいに、あいつの服をあたしは掴む。


「やっぱり、一番落ち着くよ、こうしてる時が」

って、あいつは言った。

あたしも、同じ事考えてたときだったから。


なんだか、胸が温かくなった。





夜景を写真に撮ればよかったなぁって。

帰り、車に乗ってから気付いた。

残念がっているあたしを見て。



また連れてくるよ。


って、あいつは笑いながら言う。


そうだね。


ってあたしも言う。





これから、何度でも、ここに来るチャンスはある。

あたしが、この人と一緒になったら、ますます来る機会も増えるんだろうなって思う。

何度も何度も見に来れる。



大好きになった、この夜景を。


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