march forward.
りりかの独り言。

2003年03月12日(水) 幸せにするために

明日は、あたしもよく知ってる、元バイトの子が、あいつの実家に遊びに行く。

と言うのも、その子の実家が、あいつの住んでいる県と隣同士で、帰るついでに・・・と言う感じみたい。

あいつは、それはそれは喜んでて。

「新幹線で、わざわざ降りなきゃならないのに、来てくれるなんて嬉しいよねー」

って、あたしに何度も言ってた。




けど。

夜、あいつから暗い声で、着信。



「どうした?」

「明日・・・残業になっちゃってさ・・・」

「あらら。明日はYくんが行くはずだったのにね。どうするの?」

「何時に帰って来れるか分からないから、断ったよ・・・。てか。前々から13日は友達が東京から来るから、早く帰りたいって言ってたのに、前日に、しかもさっきそう言われたんだよ・・・」

「そか・・・残念ね・・・」

「残念とか言う言葉で、終わりたくなくて。さっきまで親とけんかだよ・・・。そんなに言うなら、休めばいいだろ!!って言われたけど、そんな気持ちで飲めるはずないだろ!!っていい返したりしてさ・・・」

「仕方ないよねぇ・・・仕事だし・・・」

「なんだか・・・いろいろな事我慢してばっかりでさー・・・疲れちゃったよ」




あたしと会う事もままならない上に。

一度残業で、会う事が潰れてたりして。

友達と飲める、なんて言うのも、楽しみにしてたあいつは、相当凹んでて。




「17日に、Yくんとは飲めるじゃない?それでいいじゃない」

「うん・・・さっきYさんには、17日に。って言ったよ・・・」

「凹まないのー。仕事なら、仕方ないよ。あたしだって、仕事が遅くなったりして、約束とか潰れちゃったことあるけど、それは仕方ないよー」

「はぁぁぁぁ・・・」



ため息ばっかりつくあいつ。

確かに、1ヵ月半働いて、休みが2回って言うのも、少なすぎるしね・・・。

その2回が、2回とも用事があって(お姉さんの結婚式と学校の用事)、一日フリーな休みってないしね・・・。




「辞めたくなっちゃった?」

「一瞬考えたけど、今は思ってない」

「そか、ならよかったよ」

「親と喧嘩しているときに、親に言われたんだよ」

「何て?」




お父さんに。

「お前が将来、りりかさんと幸せになるためにも、経済的にも安定したいし、頑張るって言ったんだろ。それを、そんな飲み位で弱音吐いてどうするんだよ?お前の頑張るは、その程度か?」



って言われたらしい。




「そう言われたとき、ああ、そうだ。俺はりりかを幸せにするために、頑張ってるんだ。どんな事があっても、りりかを幸せにするために、頑張るんだって決めたんだって思い出したよ」

「そんな大事な事、忘れないでよー」

「うん、ごめん(笑)けど、だから辞めてやるかなーって一瞬考えちゃったけど、こんな始まったばかりの頃から、そんな風に考えちゃだめだって思った」

「うん、そうだね。Hは、頑張ってるなぁって凄く思うよ。だから、偉いなぁって思う」

「もしも、俺が仕事仕事で、こうやって会える時間が余りなかったり、会えなかったりしても、りりかは嫌にならないで、ずっと俺の味方でいてくれる?」

「もちろん!」

「そっか、なら安心した。うん、ありがとね」





弱っているなぁって、思った。

すごく、弱弱しい声で、不安を口に出している。

今までが、お気楽な学生で、遊んで暮らしてて。

しかも5年間も。

親も離れてて、うるさい事も言われないで、好き勝手してて。

こうやって、今は好きな事どころか、前前から立ててた予定さえも、だめになる。

実際、辛いんだろうなぁって思う。




けど。

今まで甘やかし放題にしてきたあいつに対して、お父さんが。

ものすごく厳しくなったのも。

あたしの事とかが、あるからなんだろうなぁって思った。






幸せにするために。




あいつは、よくそう言うけど。

そのためだけに頑張っているあいつが。

なんだか、可哀想になる事も、ある。





もしも。

あたしが、「やっぱり君とはだめだ、一緒になれない」とか言い出したら。

あいつって、どうなるんだろう?



仕事は、辞めちゃうのかな・・・。

だらだら、親に食わしてもらう生活に、逆戻りかな・・・。




そんな事ないかな。

そこそこ、頑張って今のまま、仕事も続けるのかな・・・。



よく分からないや・・・。





あいつの気持ちは。

素直に。

嬉しい、けど。



たまに、重く感じる事も、あったりする。




そう言う風に感じちゃうのって。

いけない事なのかな。


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