朝。
だいたい6時半ごろ。
「おはようー。今から出勤です、行って来るね」
っておはようメールが来る。
昼休みになって、食事してからの12時半頃。
「今日は天気がいいよー。風が強いけど。りりかは今頃一番忙しい時間だね。頑張ってー」
とかメールが来る。
夜7時半頃。
「ただいま。今帰宅しましたー」
ってただいまメールが来る。
その後は、ちょこちょこメールのやり取りして。
あいつはメールしながら、事務仕事を手伝ったりするらしい。
夜九時半過ぎ。
あたしが仕事じゃなきゃ、電話がなる。
あたしと話した後。
11時には「おやすみ」ってなる。
あいつは、ほとんど毎日、このサイクルで。
今日も、電話が来た。
夜10時。
「りりかー。明日、行くからね!」
「え?」
「明日、行くって言ってるんだよ」
「明日?明後日が学校の用事だったよね?」
「うん、だから明日の夜から行くから」
「ほんとー??」
凄く、嬉しい。
本当に?って、何度も何度も聞いちゃう。
あいつは嬉しそうに「本当だよー」って答える。
「一緒に飲もうよ。ゆっくり寝ようよ!」
あたしが、言う。
あいつも。
「うん、そうしよう!」
って、喜んでくれる。
「俺の自由に使える時間、全部りりかに費やしてるなぁって思う」
突然、言われる。
「そうなの?」
「うん、そう。だって、こっち帰ってきてから、友達とも飲みに行ってないし」
「行けばいいのにー」
「いや、帰ってきていろいろして、疲れて出る気にならなくてさ」
「そっかー。なら、明日も無理しないでいいよ?あたしは明後日でも充分よ?」
「俺が会いたいの!・・・って言わせないで・・・。恥ずかしいんだから」
「素直じゃん」
「俺はいつだって素直です。素直じゃないのは、りりかでしょ。それにね、使える時間、全部今はりりかに使いたいの」
何で?って聞くあたしに。
「今は、こうやって離れて暮らす事が始まったばかりで。りりかも不安だろうから。いっぱい安心させる意味でも、少しでもりりかと繋がっているほうが絶対にいいなって思ったから」
「りりかは、不安だよーってすぐ泣き声になるじゃん?」
ってあいつは笑いながら言うけど。
なら、あたしが離れている事に慣れたら。
そんな必要なくなるんだね、って言ってみた。
「慣れたら、終わりじゃないかな。それだけ相手に関心がなくなったという事になるんじゃない?」
「そうかなぁ?」
「そうだよ」
なら、君はずっと友達と飲みになんか行けないじゃん?って言った。
「ううん。1日くらい電話がなかったり、メールが少なくても、1日だけだから、ってりりかが我慢できるようになったら、安心して俺も飲みに行けるよ」
「別に今だって一日くらい我慢出来るけど???」
「今はまだまだ不安定だから。だから、それは出来ないなぁ。今基礎の時期だから。ちゃんと基礎が安定するまでは、こうやって毎日自由な時間は全部りりかに使わせて」
無理はしてないよ、って笑いながら言う。
無理なんか、してるはずないじゃん、って。
あいつは、一人でいる時間が好きだし。
いろいろと、やりたい事も、あると思うし。
それを、仕事終わってから電話とか。
しかも明日は、仕事が終わったら来て泊まってくれると言う。
明後日の朝ゆっくりでたって、間に合う。
学校は夕方までやっているんだから。
それを、わざわざ来てくれるって言う。
あたし。
そんなに不安定に見えるのかな。
あたしは。
重荷になってない?
そう聞こうかと思ったけど。
聞くのをやめた。
きっと。
「んなはずないし」
って言うと思うから。
でもね。
気づいてないだけで、少しずつ。
ほんのちょっとずつ。
確実に、負担にはなってると、思うよ・・・。
|