今日は会える日。
午後の資格の学校も頑張って。
後数時間したら、出なきゃ♪なんて浮かれてた。
のに。
まず。
午後5時前に着信。
「今日残業になりそう。八時には家につけると思うけど・・・一応九時くらいに来てくれるかな?」
「あ、うん、分かった。なら七時に出るね」
で、洗濯を取り込んだりしている最中。
午後5時半に着信。
「何時に終わるか分からないわ。ごめん、今日は無理だ」
「え・・・。うん・・・」
「じゃ、仕事中なので」
「あ・・・はい」
今日会えるって思っていた気持ちが、一気に・・・しぼんで行くって言うか。
すっごい、悲しくなった。
けど、諦め切れない。
「あたしは、行動派になるんだもん!」
自分を元気付ける。
六時ちょっと過ぎ。
あたしは、家を出る。
高速のインターまで一時間ちょっとかかる。
だから、そこまで行って、インターの近くのファミレスで時間を潰して、あいつが帰ってきたって電話が来たら、高速乗って、会おう。
そう思った。
だから。
「家に着いたら、メールちょうだい」
ってメールもした。
午後七時。
運転中。
あいつからの着信。
「え?もう帰って来れたの?」
すごく、嬉しくなって電話を出る。
「今どこ?」
「うんとね、今○○。終わったの??」
「終わらないって言ったじゃん。何やってんだよ?」
「・・・。ドライブ」
「ドライブって・・・」
「会えなかったらそれでもいいし、とにかく近くまで行こうかなって思ったの」
「ね、無理だって言ったじゃん!会えるなら会いたいよ!!けど無理だから、無理だって早い時間に教えたんじゃん!!!何やってんだよ!」
「あ・・・。うん。分かったよ。帰ります」
「悪いって思ってるんだから!」
「はい・・・」
泣きそうだった。
もし、10時くらいに帰ってきても。
ちょっとでも会おうかなぁって思ってたんだ。
けど、あいつも疲れてるしね・・・。
うざかったかなぁ・・・。
でも。
やっぱり諦めつかなかった。
だから、インターの近くのファミレスに入る。
午後七時半を過ぎてた。
ここで、九時まで待っても、あいつから帰宅メールが来なかったら。
おとなしく、帰ろう。
ファミレスで手紙を書いた。
今、あたしが思っている気持ちとは、かけ離れた、言葉を並べてる。
「仕事だし、仕方ないよね。頑張って。あたしは平気です。次は三月かなー。今月は28日しかないのに、三回も会えたんだし、大満足です」
嘘ばっかり。
何が「大満足です」だよ・・・。
午後九時。
あいつからは、音沙汰無し。
諦めて、家に向かう。
もう九時だから道も空いてて、すいすい走れた。
そして午後九時半。
着信。
「今帰ってきたよ」
「お疲れさまー。大変だったね」
「何、今運転中?」
「うん。今ね、○○。あと30分くらいで家つくかな」
「は?何してたの?ずっと運転しっぱなし??」
「ううん、ファミレスでHに手紙書いてたよ」
「ねぇ。それにしたってそんな長時間運転なんかするなよ!!運転は長い間してると集中力が切れちゃって、事故を起こしやすいんだよ!何かあったらどうするんだよ!!!!」
なんだか、教習所の教官みたいだな。
って思うのと同時に。
「あたしの事、心配してくれるんだ?」
なんて、可愛くない事まで言ってしまった。
だって。
なんだか、あたしが来る事がうざいから、早く帰れって言ってるように聞こえたんだもん・・・。
「・・・。心配?当たり前だろ・・・。何言ってるの?」
ご飯食べてお風呂入るから、家に着いたらメールしてって言われて、電話は切った。
なんだか。
よかった、心配するんだ。
とか思ってしまった。
あいつの中で。
あたしの事を考える余裕なんか、全くないのかと、思ったから。
あたしは真っ直ぐ帰らないで、またファミレス。
今度は家の近所の。
ファミレスはしごって・・・。
「着いた?」
って電話が来た。
「まだ。ファミレスはしご中」
「何でだよー。帰れって言ったじゃん」
「もう家に近いもん。帰るよ、もう少ししたら」
なんとなく、一人でいたくなかったから。
誰かのいる空間にいたかったから。
「俺ね、仕事中に考えたの」
「何を?」
「今日みたいに、何時になるか分からないとき、りりかを外で待たせておくのとか嫌なの」
「外って言うか、ファミレスとかで待つのに・・・」
「だから、そう言うのも嫌なの。で、りりかがうちに来ればいいんだよ。俺が帰ってくるまで、俺の部屋で待ってればいいんだよ」
「・・・」
「ね、まず俺の家に来て。親父にさ、仕事中に、今日はりりかが来る日だったのにー、って言ったら、来させればいいじゃないかって言われて。だから、何時になるか分からないのに来させられないんだよ!って言ったんだ。で、考えたの。りりかが、うちで待っていればいいんだよ」
「あたし、行った事もないのに、いきなり、H君が帰ってくるまで待たせてください。とか言うの?」
「もちろん、最初は俺がいるときにだよ。紹介するよ、ばーちゃんとかにもさ。いつ来る?」
「うん・・・いつかね」
「ねー。真面目に言ってるの。いつ来るかって聞いてるの」
いつかは、いかなきゃって思ってる。
でも、そのいつかは、まだまだ先。
あたしがあいつと一緒に暮らす事が出来るようになったら、と思ってた。
けど、あいつの気持ちも分かる。
紹介したいんだよね・・・。
「なら・・・四月」
「絶対ね!!!」
「うん、絶対」
なんで、四月って言ったのか、分からないけど。
前にあいつが「今は年度末だから、忙しい」と言う話を聞いてたからかな。
「今日は、本当、ごめんね・・・」
「ううん、いいよ。大丈夫」
「早く家に帰って。ね。何かあってからじゃ遅いんだからね」
「はいはい」
「はい、は、一回でいいの!」
「・・・はい」
家に着いたらメールして。
と言われてた。
けど、家に着いたのは12時半で。
あいつが寝てたら、着信音とかで起こすのが嫌だったし。
しないでいた。
次は三月のはじめに、学校の用事で来るらしい。
それまで・・・頑張ろう。
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