昨日は会えなくて。
12時半に帰宅したあたしは、到着メールをしないで、パソコンの前にいた。
いろいろな人の日記を読んだ。
彼と、けんかしてる方の日記があった。
けんかか〜・・・
あたし、喧嘩になるほど会ってないし、会ってもそんな時間もないよ・・・。
だから、ちょっと羨ましかった。
ボーっとしてたら、午前1時、着信。
え・・・?寝てないの??
あわてて出る。
「家ついた?」
「あ、うん。起こしたら悪いなって思って、メールはやめといたの」
「気にするなよー」
「どうしたの?明日早いんでしょ?」
「うん、六時起き。明日の仕事の打ち合わせしてたんだよ」
「こんな時間まで?お疲れさまです」
今日はごめんね、って何度も謝られた。
本当は、会いたくて仕方なかった。
だから、九時半に家についたとき、もしかしたらあたしがまだ向かっているかも、もしかしたら近所まで来ているのかも、って言う期待も、ちょっとあった。
だけど、もし近所に来てたりしたら、怒ろうって言う気持ちもあった。
って、言われて。
怒られてもよかったから、行っちゃえばよかったなーってあたしは言った。
そして、あいつが笑いながら聞いて来た。
「ね、28日なんの日だ?」
「は?」
「28日だよ」
「今月の28日?」
「うん、28日」
「分からないなぁ。なんだろ?」
「何で分からないんだよー・・・」
「何よ?2月28日でしょ?分からないよー・・・あ、あたし春のボーナスが出る日だ」
「違う、関係ないし」
あたしは、カレンダーを見る。
なんだろ・・・?
「1年と1ヶ月目だよー」
「あ、28日だからね!」
「・・・普通そう言うの、女の方が覚えてるもんじゃないの?記念日ー♪とかってさー・・・」
「ごめん、あたしHの誕生日もずいぶん長い事、覚えられなかった人間なので(笑)」
「だからね。会いに行くよ」
「え???」
「28日、仕事終わったら行くよ」
「次の日休みなの??」
「いや、違うけど、会いに行く。何があっても行くから、待っててね」
凄いびっくりした。
凄い嬉しいけど、びっくりした。
だって、今月は無理だって、諦めてたし・・・。
「何があっても・・・?」
「うん」
「ならさ、仕事がめちゃくちゃ遅くなって、帰宅が11時とかになっても?」
「行く行く」
「じゃー、通行止めで五時間立ち往生でも?」
「うん、行くって」
「それなら、仕事が終わったのが23時で、しかも通行止めになってたら?」
あいつが、吹き出した。
あたしは、だんだん泣き声になってるし・・・。
「・・・。りりか、可愛いね(笑)」
「・・・。違う。可愛いんじゃなくて、疑り深いの(笑)」
「もし、そうなってたらね、高速乗る前に交通情報でも聞いて、下道で行くから、安心して。絶対に行くよ」
嬉しかった。
すごく、嬉しかった。
それに、安心もした。
だからかなぁ。
つい、弱音を吐いちゃった。
「あたしの事、もう考える余裕なんか全然ないんだろうなぁって思ったんだ。それがね・・・悲しかったよ」
「あのね、りりか。俺が仕事頑張っているのだって、りりかのためなんだよ?将来、りりかに不自由なく暮らさせてやりたいからだよ?りりかと今付き合ってなかったら、こんなに頑張る事なんか全くないんだから。いつだって、りりかを最優先に考えてるの!」
「ほんとー?」
「当たり前だろ。何でこんなに想えるの?って位に、俺はりりかの事想ってるよ、いつもね」
「ありがと・・・」
「いえいえ」
照れてる、あいつ。
「これからも、こう言うすれ違いがあるかもしれないけど。呆れないでね、俺の事をこれからもよろしくお願いします」
「あ、こちらこそよろしくお願いします」
言ってから、二人で笑った。
真夜中なのに。
もし。
なんかの事情が出来ちゃって、28日来れなくなっちゃったとしても。
なんだかね、平気。
ちゃんと、あたしを見ててくれてる。
考えてくれてるんだなぁって思えるから。
「あたし、頑張るよー、前向きに!」
「りりかの場合、頑張りすぎちゃうからなぁ。なら28日まで頑張ってね。28日は泣いてもいいし、弱音吐いてもいいよー」
「うん!」
出来る範囲が、変わっただけ。
今まで学生だった間は、あたしに対して出来る事がたくさんあって。
今は社会人になったから、少なくなった。
気持ちも、少なくなった。
・・・と、思ってた。
でも、違うんだよね。
前も、今も、同じ。
同じだけ思ってくれているし。
考えてくれてる。
ただ。
今まで見たいに、行動出来る範囲が、時間が、変わったんだよね。
今のあいつの出来る範囲内では。
あたしは、めいいっぱい。
尽くされてるんだよね。
|