(昨日の続きです)
12時半にあいつは到着した。
あたしは抱きついて、泣いた。
謝りながら、泣いた。
お礼を言いながらも、泣いた。
あいつは、笑顔で。
「お弁当何にした?」
って聞いてきて。
あたしの頭をなでた。
凄く、安心した。
何が違うんだろう。
何でこの人だとあたしはこんなに安心するんだろう。
そか。
あたしの気持ちの問題なのかもしれない。
すごく、好きだから。
すごく、この人だけが好きだから。
だから、安心するんだ。
こんなに、嬉しいんだ・・・。
ご飯を食べた。
あたしは、見てた。
たまに目が合うと、にこって笑顔で返してくれる。
それだけで、胸がキューってなる。
特別かっこいい人ではないし。
改めて見ても、どこがめちゃくちゃいいって言うわけでもない。
けど、この人がいいって、凄く思う。
そう言えば。
あいつがあたしを好きな理由が。
「空気が心地いい」
だった。
一緒にいるときの空気。
それが、すごくいいって言う。
前に、あいつと同じ立場の方からメールを貰った。
その方も好きになった彼女(もちろん既婚者)の空気の色が好きだと言った。
あいつに聞いて見た。
「あたしの色って?」
「は?」
「あたしの空気の色って何色?」
「うーん・・・。りりかの空気の色って言うか、りりかは白って言う感じがする。色にたとえるとね」
「白かぁ」
あたしも、この人と一緒にいる空気が好きなのかもしれない。
あたしを全部包み込んでくれるような、この空気が。
「寝なくて平気?」
「うん、寝る寝る。四時に出るから起こして。りりかも一緒に寝ようよ」
「あたし寝たら、誰が起こすのよ」
「目覚まし♪」
二人で寝転がる。
あいつがあたしに腕枕をしてくれる。
寝なきゃ、と言ってたあいつなのに。
たくさん、話しかけてくる。
「寂しい思いさせちゃってごめんね」
「俺は本当にりりかを大事に思ってるよ。だから、睡眠時間削っても、悲しい思いさせたくないんだ」
「大切なんだよ、りりかの事」
あたしは、頷いてただけ。
たまに、キスをする。
あたしは、あいつの頭を抱え込んで、背中をさすった。
あいつは、安心したみたいに、あたしの胸の中で眠った。
あたしをぎゅーって抱きしめたまま。
四時に起こして。
結局、一時間半しか寝なかったあいつ。
車の前で「来週、あたし行くから」と言った。
「うーん・・・」
ってちょっと悩んでた、あいつ。
「だめ?」
「絶対、絶対に、安全運転するなら!!!」
「うん、する。約束する」
「高速もずっと左側だけね!分かった?」
「うん、分かったよ・・・でも合流とかになって、車が来てたら?」
「屁理屈言わない」
「はい・・・」
頭をなでられた。
「ありがと、来てくれて。凄く嬉しかった」
「うん、俺もありがとう。来てよかったよ」
「ホント?」
「睡眠時間が長くなっても、あのまま帰ってたら、俺は後悔してた。今ね、気分的に凄くいい」
「そか」
「会えてよかった。俺が元気補充しちゃったかな」
「ならよかった」
見えなくなるまで、あたしは立ってた。
暖かい気持ちに、なれてた。
この数日間の日記で、いっぱい心配メールが来ました。
お友達からも来ました。
あたしを怒ってくれたMさん。
一緒に暮らしたほうが、二人のためだよって言ってくれた。
何があってもりりかちゃんの味方だからね!って言ってくれたTちゃん。
私が代わりによしよしするよ!って言ってくれた。
いろんな人の力で、ここまで来た気がする。
あたしはどうしようもない人間だし。
よわよわで、最近はすぐ泣くし、甘えるし、わがままだし。
だけど、そんなあたしだけど、ちょっとずつ支えてくれる人たちがいる。
勇気を、貰ってると思う。
何度も、もうやめようって、辛いからやめようって、そんなの離婚前から考えた。
子供と離れる事になったときも、考えた。
逃げたいって何度も何度も思った。
人間って、自分が楽になる方法をやっぱり考える。
あたしも考えた。
どうやったら、楽になれるか。
それは、周りの誰かが傷ついたとしても。
自分さえ、楽になれたらいい。
そんな風に思ってしまう。
勇気が、たくさんなきゃ。
自分は傷ついてもいいって、そう言う方向へ考えられる勇気がなきゃ。
そして、自分がしたいように、生きて行くにも、勇気がなきゃ。
ちょっとずつ。
勇気を貰ってる。
だから、ここまで来た。
みんなのおかげ。
お友達。
この日記読んでくれてる人たち。
親。
妹。
子供たち。
あいつ。
本当に、ありがとう。
逃げないように、今、自分が何をするべきなのか。
考える事から、逃げない勇気を。
あたしに与えてくれた人たち。
本当に、ありがとうございます。
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