昨日の話です。
昨日は、飲み会で。
待ち合わせ場所について、これから居酒屋に行こうかって時。
あいつから電話が来た。
「今から向かうから。九時くらいにはつくからね」
あたしは、素直に凄く嬉しかった。
ここ最近、あたしの話を親身に聞いてくれる後輩がいた。
彼も遠距離。
だからかな、分かってくれてたのかな。
あたしが悲しいとかを言うと、ピンポイントでその理由とか言いあててくる。
それが、心地よかったのかな。
その彼も、寂しいって気持ちだったんだと思う。
あたしたちは、寂しいって言う人間同士急速に仲良しになった。
ただ、本当に話をするだけの関係。
だけど、こんな事がばれたら、あいつはめちゃくちゃ怒るだろうし。
実際、言えないだけの後ろめたさがあった。
あたしは、いつの間にか。
その彼を「あいつの代わり」にしようとしてたから。
そばにいない間の、代わりにしようとか思ってしまったから。
そして、彼はあたしに「代わりでもいいから、そばにいさせてください」って言った。
あたしが悲しむ顔は見たくないし、笑顔でいて欲しいからって。
逆にその彼もあたしを彼女の代わりにしたかったのかもしれない。
でも、あたしは、その彼の言葉に頷く事は出来なかった。
そばにいさせて欲しい、と彼は言ったけど、あたしは「話したりするだけしか、無理だよ」って言った。
その彼は「今はそれで充分です」って言った。
あたしは、今はそれで充分だって言うその彼の言葉に甘えちゃった。
あくまでも、「今は」なんだけど。
その「今」は、あたしの中で、消えてた。
「話すだけで充分」と都合よく解釈してた。
確かに、話すとすっきりした。
あたしが泣きそうになって、気持ちを話すと、一緒になって涙を浮かべて聞いてくれる。
「ごめんね」って、あたしが言うと「平気です。泣いちゃってください、その後笑ってください」っていってくれて。
あいつが、そう言う風によく、あたしに「泣いた後笑顔を補充するよ」って言ってくれてた事と重なってしまって。
飲み会は何次会までやるのか知らないけど。
あたしはその彼と一次会で抜ける約束をしてた。
それで、またファミレスでお茶でもしようか、って。
けど、あいつが来る事になって。
あたしは、真っ先にその彼に伝えた。
あたしが笑顔で報告したら「よかったですね」って言ってくれて。
けど。
一次会が始まって、一時間くらいたったとき。
あいつから着信。
高速で事故があり、通行止めになっている、と言う。
だから、降りたくても降りられないし、下がる事も出来ないし、今車の中で動けない状態だよ、って。
こっちに来たらあたしと、一緒に食事をしようと思っていたから、昼から何も食べてないし、タバコはなくなりそうだし、飲み物もないし・・・。
すごく、いらいらしている声だった。
そして「いつ開通になるか分からないし、今日は開通したら、ユーターンして、帰るわ」って言われた。
明日は6時半から仕事だから、そっち行くの何時になるか分からないし、ついても数時間で、出なきゃ間に合わなくなっちゃうし、って。
あたしは、当たり前だけど、ものすごくがっかりした。
だけど我慢しようって思ってた。
なのに、ついつい「来れないのか・・・寂しいなぁ。会いたかった」って言ってしまった。
いらいらしてたあいつは。
「りりかー。今さ、動けない状態なわけ。それなのに、今そう言う話しやめてくれない?無理なんだからさー」
って、きつい口調で言ってきた。
あたしは、黙って電話を切った。
あたしは「ごめん・・頑張って」ってメールした。
その後は、メールが来ても返さなかった。
一次会が終わって。
あたしは帰ろうって思ってたんだけど、その彼が「Hさんが来れなくなったなら、予定通りお茶しましょう」って言ってきて。
お茶してた。
そのとき、なんだか・・・感情が高ぶってしまって、泣いてしまった。
いらいらした声のあいつの事とか。
今日会えると思ってたのにだめになった事とか。
寂しいって言ったら、無理だからって拒否られた事とか。
そういう事考えたら、悲しくて、悲しくて。
泣いてるあたしの頭を、その彼がなでてきた。
あたし、凄くびっくりした。
思わず、手を振り払ってしまった。
あたしは、よしよしってされたい、とか。
ぎゅーって抱きしめて欲しい、とか。
そう言う事、望んでて。
あいつじゃない、誰かにでも、そうされると癒されるのかとか。
かなり、汚い事考えてた。
でも。
実際されても、全然癒されたりなんかしなくて。
逆に、罪悪感とかが出てくるだけで。
虚しい、気持ちになった。
あいつの、代わりは。
誰にも、出来ない。
「あたし、やっぱり、帰るわ」
ふらふらした。
「送って行きます」
って言う声にも、首を振っただけで。
きっと、その彼もびっくりしただろうなぁ。
頭をなでたくらいで、あたしが取り乱したりして。
ふらふら歩いてたら、あいつから電話。
やっぱり声はいらついてた。
あたしは、どうしても、どうしても会いたくなった。
あいつに、会いたくて仕方なくなってた。
だから。
「今から、Hがいるインターまで行く。5分でいいから、会って」
って言った。
そしたら。
「いい加減にしろ!飲酒で何言ってるんだよ!!そんな危ない真似させられるわけないだろ!!」
あたし、怒鳴られて悲しかったし、会いたくて仕方なかったし。
すっごく泣いた。
「ごめんなさい・・でも、飲酒でもいいから、会いたいの、平気だから、会って欲しいの」
泣きながら、言った。
大きなため息の後。
いらついた声のあいつじゃなくなってた。
「りりか?今ね、車が動き出したよ。今から向かうからね。待っててね。泣かないで、大丈夫だから。すぐつくからね」
「だって、こっち来たら、寝ないで仕事に行く事になっちゃうじゃん!」
「平気、俺若いから」
「だって、無理だよー・・・」
って言いながら、号泣。
「りりかがそんなに泣いてるのに、帰れるわけないじゃん。行くからさ。お腹空いたよー。飯用意しておいてねー」
「でも・・・あたし飲み会で夕飯の材料とかないもんー」
そんな会話しながらも、泣きまくり・・・。
「泣きながら言うことじゃないじゃん・・・。お弁当でいいから。買っておいて、大盛りね!」
あたしは、電話を切った後も、泣いてばっかりだった。
泣きながら、お弁当屋で「これください、大盛りで」とか言うあたしは、すっごい馬鹿っぽかっただろうと思う・・・。
あたしが泣いたばっかりに、無茶させてるって思ったら、また泣けた。
泣かなきゃいいのに、って思えば思うほど、涙が出た。
あいつから、何度もメールが来た。
「今○○だよ、早いだろ、もうすぐだよ」
「りりか、あーんってやってね。マジ腹減ったー・・・」
「さー、そろそろ・・・後10分もないかな。りりかの家が見えてきます♪」
あたしは、外に出て、待った。
そわそわした。
初めてのデートの時みたいに。
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