march forward.
りりかの独り言。

2003年02月22日(土) 代わり

昨日の話です。





昨日は、飲み会で。

待ち合わせ場所について、これから居酒屋に行こうかって時。

あいつから電話が来た。

「今から向かうから。九時くらいにはつくからね」

あたしは、素直に凄く嬉しかった。





ここ最近、あたしの話を親身に聞いてくれる後輩がいた。

彼も遠距離。

だからかな、分かってくれてたのかな。

あたしが悲しいとかを言うと、ピンポイントでその理由とか言いあててくる。

それが、心地よかったのかな。

その彼も、寂しいって気持ちだったんだと思う。

あたしたちは、寂しいって言う人間同士急速に仲良しになった。



ただ、本当に話をするだけの関係。

だけど、こんな事がばれたら、あいつはめちゃくちゃ怒るだろうし。

実際、言えないだけの後ろめたさがあった。

あたしは、いつの間にか。

その彼を「あいつの代わり」にしようとしてたから。

そばにいない間の、代わりにしようとか思ってしまったから。

そして、彼はあたしに「代わりでもいいから、そばにいさせてください」って言った。

あたしが悲しむ顔は見たくないし、笑顔でいて欲しいからって。

逆にその彼もあたしを彼女の代わりにしたかったのかもしれない。



でも、あたしは、その彼の言葉に頷く事は出来なかった。

そばにいさせて欲しい、と彼は言ったけど、あたしは「話したりするだけしか、無理だよ」って言った。

その彼は「今はそれで充分です」って言った。



あたしは、今はそれで充分だって言うその彼の言葉に甘えちゃった。

あくまでも、「今は」なんだけど。

その「今」は、あたしの中で、消えてた。

「話すだけで充分」と都合よく解釈してた。



確かに、話すとすっきりした。

あたしが泣きそうになって、気持ちを話すと、一緒になって涙を浮かべて聞いてくれる。

「ごめんね」って、あたしが言うと「平気です。泣いちゃってください、その後笑ってください」っていってくれて。




あいつが、そう言う風によく、あたしに「泣いた後笑顔を補充するよ」って言ってくれてた事と重なってしまって。





飲み会は何次会までやるのか知らないけど。

あたしはその彼と一次会で抜ける約束をしてた。

それで、またファミレスでお茶でもしようか、って。



けど、あいつが来る事になって。

あたしは、真っ先にその彼に伝えた。

あたしが笑顔で報告したら「よかったですね」って言ってくれて。





けど。

一次会が始まって、一時間くらいたったとき。

あいつから着信。

高速で事故があり、通行止めになっている、と言う。

だから、降りたくても降りられないし、下がる事も出来ないし、今車の中で動けない状態だよ、って。

こっちに来たらあたしと、一緒に食事をしようと思っていたから、昼から何も食べてないし、タバコはなくなりそうだし、飲み物もないし・・・。

すごく、いらいらしている声だった。



そして「いつ開通になるか分からないし、今日は開通したら、ユーターンして、帰るわ」って言われた。

明日は6時半から仕事だから、そっち行くの何時になるか分からないし、ついても数時間で、出なきゃ間に合わなくなっちゃうし、って。



あたしは、当たり前だけど、ものすごくがっかりした。

だけど我慢しようって思ってた。

なのに、ついつい「来れないのか・・・寂しいなぁ。会いたかった」って言ってしまった。

いらいらしてたあいつは。

「りりかー。今さ、動けない状態なわけ。それなのに、今そう言う話しやめてくれない?無理なんだからさー」

って、きつい口調で言ってきた。

あたしは、黙って電話を切った。



あたしは「ごめん・・頑張って」ってメールした。

その後は、メールが来ても返さなかった。



一次会が終わって。

あたしは帰ろうって思ってたんだけど、その彼が「Hさんが来れなくなったなら、予定通りお茶しましょう」って言ってきて。

お茶してた。

そのとき、なんだか・・・感情が高ぶってしまって、泣いてしまった。




いらいらした声のあいつの事とか。

今日会えると思ってたのにだめになった事とか。

寂しいって言ったら、無理だからって拒否られた事とか。



そういう事考えたら、悲しくて、悲しくて。

泣いてるあたしの頭を、その彼がなでてきた。

あたし、凄くびっくりした。

思わず、手を振り払ってしまった。




あたしは、よしよしってされたい、とか。

ぎゅーって抱きしめて欲しい、とか。

そう言う事、望んでて。

あいつじゃない、誰かにでも、そうされると癒されるのかとか。


かなり、汚い事考えてた。




でも。

実際されても、全然癒されたりなんかしなくて。

逆に、罪悪感とかが出てくるだけで。

虚しい、気持ちになった。



あいつの、代わりは。

誰にも、出来ない。




「あたし、やっぱり、帰るわ」

ふらふらした。

「送って行きます」

って言う声にも、首を振っただけで。

きっと、その彼もびっくりしただろうなぁ。

頭をなでたくらいで、あたしが取り乱したりして。





ふらふら歩いてたら、あいつから電話。

やっぱり声はいらついてた。

あたしは、どうしても、どうしても会いたくなった。

あいつに、会いたくて仕方なくなってた。


だから。

「今から、Hがいるインターまで行く。5分でいいから、会って」

って言った。

そしたら。

「いい加減にしろ!飲酒で何言ってるんだよ!!そんな危ない真似させられるわけないだろ!!」



あたし、怒鳴られて悲しかったし、会いたくて仕方なかったし。

すっごく泣いた。

「ごめんなさい・・でも、飲酒でもいいから、会いたいの、平気だから、会って欲しいの」

泣きながら、言った。



大きなため息の後。

いらついた声のあいつじゃなくなってた。

「りりか?今ね、車が動き出したよ。今から向かうからね。待っててね。泣かないで、大丈夫だから。すぐつくからね」

「だって、こっち来たら、寝ないで仕事に行く事になっちゃうじゃん!」

「平気、俺若いから」

「だって、無理だよー・・・」

って言いながら、号泣。

「りりかがそんなに泣いてるのに、帰れるわけないじゃん。行くからさ。お腹空いたよー。飯用意しておいてねー」

「でも・・・あたし飲み会で夕飯の材料とかないもんー」

そんな会話しながらも、泣きまくり・・・。

「泣きながら言うことじゃないじゃん・・・。お弁当でいいから。買っておいて、大盛りね!」





あたしは、電話を切った後も、泣いてばっかりだった。

泣きながら、お弁当屋で「これください、大盛りで」とか言うあたしは、すっごい馬鹿っぽかっただろうと思う・・・。



あたしが泣いたばっかりに、無茶させてるって思ったら、また泣けた。

泣かなきゃいいのに、って思えば思うほど、涙が出た。



あいつから、何度もメールが来た。

「今○○だよ、早いだろ、もうすぐだよ」

「りりか、あーんってやってね。マジ腹減ったー・・・」

「さー、そろそろ・・・後10分もないかな。りりかの家が見えてきます♪」



あたしは、外に出て、待った。




そわそわした。

初めてのデートの時みたいに。


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