寂しくないし、平気だし。
そんな手紙を投函して、すぐ。
あたしは、泣いた。
あいつにもらったオルゴールは、やっぱり悲しい音で。
貰った日の事を、思い出してばかりいた。
あの時は、楽しかったな。
一緒にいたんだよね。
今は、遠い場所なんだよね・・・。
まだ、離れて三日だよ。
自分に、そう言い聞かせても、だめ。
やっぱり、悲しくなってしまう。
それは。
今までみたいに、近くにいるって言う安心感がないから。
どうしても会いたくなったら、でも時間も無かったとしても。
10分でも、15分でも顔を見に行けるっていう事が出来ないから。
車で、頑張っても二時間掛かる。
深夜の空いている時間帯で、二時間。
往復、四時間。
深夜1時。
あいつとは、二時間くらい前に、メールをやめた。
あいつは朝5時半起きだって言ってたから。
でも、あたしは突発的に電話をしてしまった。
起こすのは、やっぱりまずいよ・・・。
そう思う、あたしもいる。
3回くらい、鳴らして、切った。
「ごめん、明日朝、早いのにね。起きなかったよね。大丈夫だよね?何だか、寂しくなってしまったので、突然電話しちゃいました。明日になれば大丈夫だから!ごめんなさい」
ってメールを打ちこんでいる最中に、あいつから着信。
「どうしたー?」
「ごめん・・・起こしちゃって、ごめん・・・」
明らかに、泣いているあたし。
「おーい。りりかー」
「大丈夫・・・」
「大丈夫じゃないなぁ・・・その声は」
「ホント、ごめん・・・。ごめんね・・・五時半に起きなきゃなんでしょ・・・」
「いいよ、いいよー。大丈夫じゃなくなるまで、付き合うよ」
何か、その声が、ものすごく優しくて。
あたしは、声をあげて泣いてしまった。
「りりかー」
何度も、何度も、名前を呼んでくれる。
泣いているあたしは、返事なんか出来なくて。
やっと、やっとの思いで。
「寂しいよ」
って言った。
「うん、ごめんね。寂しい思いさせちゃって、ごめんね・・・」
やっぱり、その声は優しくて。
あたしは、泣いて泣いて。
「オルゴール聞いてる?」
「うん・・・」
「元気出してー。ね」
「うん・・・」
「りりか、愛してるよ。だから、大丈夫、元気出して」
あたしが黙ってたら。
「りりかも、言ってー。愛してるぅって言ってみてー」
「やあだー」
泣きながら、でもちょっと笑いながら、答える。
「あ、いつものりりかに戻ってきた!」
あいつも、笑ってた。
15分くらい話して、「もうホントに平気だよ、ありがとう」って言った。
「うん、分かった、また朝メールするね」って言われた。
電話を切ってから、すぐ、メールが来た。
「寂しい思いさせちゃっているんだから。電話するくらい、たいした事ないよ。これからもどんどん電話して来ていいよ。それくらい甘えてね」
ありがとう。
でも、泣かないようにする。
まだまだ、始まったばかりじゃない!
あなたの優しい声を聞けて。
優しい言葉たちを聞けて。
少しだけ、少しだけだけど。
不安がなくなったよ。
ホントに。
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