朝。
待ち合わせして、二人であたしがクリスマスに送った腕時計のバンドの調整に行った。
直すのに30分くらい掛かりますって言われて、お茶する事にして。
あたしは直したらそのまんま仕事。
あいつは・・・実家にそのまんま行く。
で、大晦日に帰ってきて、一緒に年越しを過ごす。
お茶しているとき。
「ね、りりか一人で平気?」
あなたは、何度こう聞いたかな?
何度も聞いたよね。
あたしは何度も、聞かれるたびに同じ答えをした。
同じ答えしか、出来なかった。
あたしは、寂しい。
不安だし、悲しい。怖い。
傍にいない、大好きな、あなたが。
それ考えるだけで、泣けて来る。
けど。
行けないんだ、やっぱり。
時計を直して。
お互いの車に乗る。
あたしが乗り込むとき、また聞いたね。
「一人で平気?」
「平気だよ」
涙が出た。
あいつの車が見えなくなって。
そのとき、涙が出た。
何が足りないんだろう。
そうだ。
あたしには、勇気がない。
あなたについて行ける、勇気が足りないんだ。
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