25日。
あたしたちはお昼に待ち合わせしてたんだけど。
あたしの支度が遅くなっちゃって。
結局2時間遅刻。
ま、いつもどおりって言うか、なんていうか。
なぜか、あいつとの約束のときは遅刻する事が多い・・・
アウトレットに行って、買い物したり、イルミネーション見たり。
クリスマスディナーを食べて、バーに行った。
全部あいつのプラン。
バーでプレゼントの交換した。
あたしから、時計。
すごく、喜んでくれて。
でも、二人ともサイズが大きすぎちゃって。
直しに行こうね。って話して。
あいつからはネックレス。
「1年前、お台場で渡したネックレスは結構安かったし。何より自分で稼いだ金じゃなかったしね」
凄く嬉しい。
プラチナのネックレスがきらきらしてて。
「つけてあげるよ」
って、つけてくれた。
「どお?」
ちょっと照れたあたしに、あいつは。
「うん!店で見たときに、これはりりかに絶対に似合う!って思ったんだ。一目ぼれだった!」
って、ニコニコして。
あたしの頭をなでて。
その手が頬に来て。
「話ってね」
ドキッとした。
忘れてたから、その事。
楽しくて、嬉しくて、忘れてたから。
「いい話し、悪い話、どっち?」
「きっと・・・悪い話じゃないかな」
やっぱり・・・。
ドキドキが早くなる。
「2月に。実家に帰るわ」
「ん?」
「実家を継ぐわ」
あたしは、呆然とした。
実家関係の話、だとは思ってたけど。
実家を、継ぐ?
「親父もかなり辛そうだし。手伝ってあげたいし」
「うん」
「だからね・・・っ!泣かないでよー・・・」
いつの間にか、あたしは泣いてて。
指摘されたとき、泣いてるんだ、って気づいた。
気づいたら。
止まらなくなって。
声をあげて、泣いた。
「一緒に来てくれない?」
あたしの頭をなでながら、言う。
あたしは首を振る。
一緒に、君の実家に帰る事は、出来ないよ。
「どうして?」
それは、子供たちと今以上に距離が離れるのが嫌だから。
もうちょっと、時がたったら、分からないけど。
何年か先なら、分からないけど。
「だって、俺傍にいなくなるんだよ?」
分かってる。
分かってるけど。
一緒に行く事は、出来ません。
ごめんね・・・。
あたしは、泣き続けて。
バーを出た後、歩きながらも泣いて。
あいつに手を引かれながら泣いて。
今の気持ちは、不安。
それだけ。
それだけしか、ない。
泣いてばかりの。
最悪なクリスマスになった。
|