march forward.
りりかの独り言。

2002年12月07日(土) 大好きな人たち

今日はあいつがまだ一緒に働いていたころからの仲間たちと忘年会。

飲むとだらしなくなる(らしい)あたしは、あいつと一緒なら酔っていいと言われて。

でも、調子に乗らないように。と釘もさされ。



30分くらい遅刻しますってメールが来て。

あたしは先にMさんたちと待ち合わせて向かう。



辞めちゃって、久しぶりに会った仲間もいて。

すごく、すごく、楽しい。



あいつは結局1時間くらい遅刻して来て。

「ちゃんといいこにしてた?」

と、あたしの頭をなでながら隣に無理矢理座って。

「もう、りりかはHくんだけのものだね」

って、Mさんに言われて。

凄く、嬉しそうに「でもまだまだ目が離せなくて大変ですよ」と言う。




一次会が終わって、二次会に移動するとき、小雨が降ってた。

凄く寒くて。

酔いが急激に醒めていくのが分かった。

歩いて10分くらいの距離なのに。

「寒い!」を何十回言ったんだろう。あたしは。





二次会で、最初隣同士に座ったあたしたち。

でも、途中で違うテーブルにあたしは呼ばれて。

「ちょっと行って来るね」

と、あいつと離れて。

あいつはあいつで、K−1の話で盛り上がってたし。





あたしは、みんなで飲めたと言う事が嬉しくて。

はしゃいで。

あいつがいるからって言う安心感もあって、がん飲みして。



気がついたとき。

外にいた。

小雨の中。




ものすごい頭痛と吐き気と。

あたしはどんなに気持ち悪くなっても吐けないので、余計辛くて。

「なにやってんだよ」

と、明らかにむっとした顔のあいつに背中をさすられて。

「もー!心配したよ!」

Mさんにも怒られ。



心配した?

え?




先に帰るって言うバイトの女の子を駅まで歩きで一緒に送って行くとあたしが言い出して。

みんなが止めて。

駅まで歩いて10分くらいだし、平気って、あたしはかなり普通に言ったらしくて。

でも、あいつは、なら俺が送って行くと言って。

あたしに待つように言い。

あいつが送って行った後、少ししてあたしは外に出た。

あたしがかなり普通に歩いてたし、それほど酔ってないのかな、とみんなは思って。

あいつが送って帰ってきたとき、あたしはいなくて。

携帯はカバンに入れたまま、店に放置。

鳴らしても無意味で。

あわてたあいつとMさんは探したと言う話。





で。

あたしは、今になって見れば、だんだん記憶は戻ってきたんだけど。

駅まで行って、あいつはいなくて、冷たい雨が気持ちいいなぁって、あたしはそのまま駅のバスロータリーの屋根がついているベンチで座ってた。

どれくらい座ってたかは覚えて無いけど、そろそろ寒くなってきたなぁって思って、戻ろうと歩いているときにあいつに捕まったと言う感じ(捕まった?)。


だんだん頭が痛くなって、気持ち悪くなって。





「だめだよ。ちゃんと待っててくれなきゃ。ホント、心配したんだから!」

あいつが自分の上着をあたしにかける。

Mさんが温かいお茶を買ってきてくれて。


「あたしね。あたし」

あたしが言いかけたら、二人で同時に声合わせて。

「何??」

ちょっと、怒ってる口調で。



「あたし、凄く今嬉しい。大好きな人たちに囲まれて。その大好きな人の中でも、特別大好きなこの二人に囲まれて。凄く幸せー」

あたしは、その瞬間、本当にそう思ったから。

「寂しいって、ずっと思ってて。あたしは一人で頑張らなきゃって、仕事も生活も自分で、自分の力だけでって。倒れちゃいそうで。なんだかね、頼れる人がいなくなった錯覚みたいになっちゃったの」

泣きながら、あたしは言った。

この一年。

いろいろな事が起こって。

いろいろな事があって。


ものすごく愛してくれる人に出会って。

その人との愛を貫いて。

子供たちと別れる事になって。

生まれて初めての一人暮らし。

自分だけの生活。



そして。


余裕が無い生活。


気持ち的に。

金銭的にも。



「私は、ずっとりりかが大好きだよ。りりかがどんなことしても、私はりりかが大好きだから、平気だよ。そばにいるし。頼っていいんだよ」

Mさんは、泣きながら言った。

「ホントだよ。なんで頼れる人がいないの?寂しいの?だめだよ、そんな風に思ったら。俺は何が何でもりりかのそばから離れるつもりないんだから!」

って言ってから、

「Mさんの前で言うのも、あれなんですけど・・・」

って、照れてた。

そして。

「りりか、一緒に暮らそう。一緒にいたら、きっとそんな不安もなくなるよ。結婚しよう、とか言わない。今は一緒に暮らすだけでいいから」





あたしは。

首を横に振って。

「もう少し、頑張らせて。もうだめだー、限界だーって思うまで、頑張らせて」

って言った。


「それなら」

「それなら、限界になるちょっと前にして。限界になってからじゃ、倒れちゃうから。それは約束して」



あたしは頷いた。

Mさんは両手であたしの頬を押さえて。

「私にも、限界になる前に言う事」

って言った。




あたしは、もうちょっと、頑張れる。

この人たちに囲まれているから。


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