march forward.
りりかの独り言。

2002年12月06日(金) 賢者の贈り物。

朝。

あたしが出勤するちょっと前に、電話があった。

「今、帰るところ」

「お疲れさま・・・寒いね」

「うん。寒い」


ちょっと、無言が続く。


「メール読んだ?」

「うん、読んですぐ電話した」

「あたしは、そう思ってる」

「うん。分かった。けどね・・・」


電波が悪かったらしくて、電話が切れちゃって。

あたしから何度か電話したけど、繋がらないから。

あたしは出勤時間になったので、そのまま仕事に入った。




10時に休憩があって、携帯を見たら着信履歴が1件とメールが来てた。

今電話しても寝てるだろうな、と思って、メールを読んで返事する事にした。




「仕事の時間になっちゃったかー。タイミングわりー・・・さっきの続きだけど。けど、やっぱり二人で初めて過ごすクリスマスは、今年しかないんだよ?だから、いつもとは違うんだよ。もちろん、これからも毎年来るよ。でも、初めてじゃないんだよ?俺は、りりかに初めてのクリスマスは凄く楽しかったんだー、っていつまでも言って欲しい。昨日の言い合いは、俺のために学校の事を一生懸命考えてくれるりりかの気持ちと、りりかを最高に喜ばせたいって言う俺の気持ちがすれ違っちゃって、賢者の贈り物っぽくなったけど・・・。お互いにお互いの事を考えてしていることだからね。けど、平気です。本当に、学校にはちゃんと行くし、卒業も大丈夫だから、ここはわがまま言わせてください」



賢者の贈り物?

って何?

と思って、Mさんに聞いて見た。

Mさんも分からないって言う。

それで、店のパソコンで検索して調べて見た。


要約すると。

妻は夫の時計の鎖を買うために自慢の長い髪を売り、夫は妻の長い髪に似合う櫛を買うために時計を売って。お互いのプレゼントは無駄になってしまったけど、お互いを思いやると言う気持ちを与え合ったのです。


みたいな話だった。




ちょっと違うんじゃないの?と思ったりはしたけど。

でも、お互いの事を考えた上でって言うのは。

あっているのかな。




「あたしは、ただクリスマスの日に、一緒にいられるっていう事だけで、充分嬉しいし。いつまでもきっと、最初のクリスマスは凄く嬉しい気持ちだったって思うと思うから。だから、無理はしないで」




夕方、返事が来た。

寝起き。


「おはよー。じゃないか。大丈夫、安心して。俺を信じて!明日は忘年会、飲みすぎていいよー。俺は飲まないようにして、見張ってるから☆」

「そうだ!明日は忘年会。思い切り飲ませていただきますので、後をよろしくお願いします☆」



今年最後の飲みになるのかなー。


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