朝から晩まで、ずっと仕事。
ぐったりして帰ったら、ドアノブに袋が掛かってた。
あいつからりんごと手紙だった。
「お疲れさまです。実家から送られてきたので、持って来ました。俺もこれからバイト、行ってきます」
それだけのために、わざわざ遠回りして来てくれたんだなぁって思って。
すごく、嬉しくなった。
りんごを剥いて、食べた。
甘くて、おいしかった。
食べながら、手紙を書いた。
いっぱい、ありがとうと。
疲れてても、君はいつも癒してくれるね、って事と。
もうすぐ。
あの、お台場から、一年たつね。って事。
そう。
もうすぐ、1年たつ。
あたしたちが、二人で出かけた、初めて出かけた、あの日から。
まだまだ、二人とも妙に堅くなって(あたしだけか?)。
会話も弾まなくて。
でも、観覧車から見た夜景は綺麗で。
気がついたら、もう1年がたとうとしてて。
あたしたちは、今も一緒にいる。
1年前の、あの日。
こんな風に、一年後に一緒にいるなんて、誰が想像したんだろう。
そして、あたしが離婚して。
子供と離れて暮らして。
子供と会えなくなってしまっているなんて。
一体、誰が、想像したんだろう。
疲れた体に鞭打って。
寒い中、ポストに手紙を出しに行く。
小雨が降っている、真夜中に。
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