「すぐに話しに行こう」
職場の仲良しの彼女は、そう言った。
でも、あたしは、今は嫌だった。
だいたい、こんな傷だらけの顔を見られたくなかった。
「そんな事言っている場合なの???」
彼女に怒られもしたけど。
どうしても嫌だった。
「まぁ。私も女だから、好きな人に傷のついた顔を見せたくないって言う気持ちは分かるけど・・・でも、その傷じゃ、1週間とか掛かりそうじゃない?それまで会わないで、隠すつもりなの?」
あたしは、頷いて。
彼女は、「分かったよ・・・」って言った。
あいつからは、毎日当たり前のようにメールが来てて。
バイトを詰め込んでいるあいつは、夜は余り時間が取れないから好都合で。
「バイト行くまで数時間でもいいから、りりかさんに会いたいんだけど」
と、言ってきても。
「その数時間、寝たりして、バイトに備えなよ」
って、返す。
普段から、あたしはそう言う事を言ってたから、何も疑われず。
夜、一人の時間って、こんなに寂しかったんだ。長かったんだ。
そんな風に考えたりする。
上の子供たちから、電話は無い。
きっと、言われたんだろう。
「ママに電話するのは、禁止だよ」って。
あたしから、何度かだんな様には電話した。
でも、拒否されているみたいで。
ずっと、つながらなかった。
だんな様の実家に電話する事も考えたけど。
勇気が出なかった。
夜中に。
一人ぼっちになったみたいな感覚に襲われる。
あいつに。
無性に、会いたくなる。
声だけでも・・・と思う。
でも、きっと今声だけでも、聞いたら。
あたしは泣くから。
そしたら、どうしたの?って心配されるから。
会いたいけど。
会いたくない。
会えない。
そんな感じ。
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