march forward.
りりかの独り言。

2002年11月20日(水) 彼女の優しさ

仕事、今日は休めないから行った。

あざは化粧して隠した。

でも、全然違和感あるし。

口のはじは、かさぶたみたいになってるし。

だから、大きく口を開けることとか出来ないし。






やっぱり、みんなに「どうしたの???」と言われた。

「転んだの」

ありきたりな嘘。

たぶん、ばれてるよね・・・

いつもどおりに仕事をこなして行く。




休憩中。仲良しの主婦Mさんに、言われる。

「それって、殴られたんじゃない?まさか・・H君?」

「まさか!」

「ねぇ、りりか、私には言ってよ」



なんだろ。

安心しちゃったのかな。

誰かに話せるって事とかに。

あたしは、泣きながら、話した。



彼女は。

「どんな理由にしても、男が女を殴るのは、私は許せないなぁ」

と言って、

「それを今日まで一人で抱え込んだ、りりかの事、怒りを通り越して呆れちゃったよ」

と、寂しそうに言われた。




彼女とあたしは。

最初はバイトとして。

彼女の方が2ヶ月ほど後に入っただけで。

同じ仕事を一緒にこなして来た。


でも。


あたしの方が年齢的に若いからか。

社員にならないかと言われたのは、あたしだけだった。

彼女は、いつもあたしを支えてくれて。

それは仕事も、プライベートも。

あたしがどんどん昇格して行くのも、自分の事のように喜んでくれて。


あたしの、お姉さん的な存在だった。

おかしいと思う所は、きちんと言ってくれる。

そして、いろいろ叱ってくれる。

あたしも、信用して、彼女には話して来た。



もちろん、あいつとの事も。

最初は「好きになってしまった気持ちは仕方ない・・・でも。旦那さんにだけは、絶対にばれないようにね・・・」なんていってた。

お台場にあいつと初めて行った日。

「行く事に、反対はしないけど・・・もしも、途中で帰りたくなったりして、電車とかなくなったりしたら、すぐに電話しなさいよ。迎えに行くから!!」って言ってくれたのも彼女だった。




最近、ゆっくり、彼女と話す事はなくなってた。

あたしは、自分の生活のために働かなきゃいけなくなり。

仕事も長時間が当たり前になり。

空いた時間は、あいつと会ったり、寝たりして。




あたしは、彼女とたくさん言い合いもしたけど。

でも、彼女が大好きで。

彼女みたいに、強い、芯の通った女性に憧れて。




その彼女は、あたしが話さなかったこと。

とても、悲しそうにした。



でも、あいつより誰より先に、自分に話してくれたと言う事に。

すこし、喜んでくれた。




「ちゃんと、話そう。H君に。私も付き添うから」



あたしは最初、嫌だって言った。

でも、彼女は絶対に言わなきゃならないって言った。

それは。

隠す事は、彼を傷つける事になるからだと言った。

自分も原因なのに、知らされず、あたしがただ我慢している事は。


後で知ったら、彼も傷つくからだと。





そして。

「りりかが一人で苦しむこと、きっとH君は望んでいないよね」




うん、そうだと思う。


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