夜、だんな様がライラを連れてきた。
お姉ちゃんたちは、一緒に来ると、泊まりたいと騒ぐから、おいてきたと言ってた。
あたしは、全然OKなんだけどねー。
1ヵ月半ぶりの、ライラ。
「ママー」
って、抱きついてくるか、と思ったのに。
最初はなぜか、恥ずかしがったりして。
あたしが手を出しても、にやにやして、つないでくれないで。
だんな様と三人で、夕飯を食べに行った。
そのころには、すっかり照れてたのもなくなって。
あたしの膝に乗ってきて、前みたいに、いっぱい笑ってくれる。
指をしゃぶって、あたしの胸にペタンて、顔をつけるのも、変わってない。
「今日は、ママと寝れるの?」
あたしは、大きく頷いた。
だんな様が、あたしの家まで送ってくれて。
ライラと一緒にお見送りした。
「ママの新しいおうち、初めてー」
ライラがはしゃぐ。
あたしは、仕事から帰ってきて、買いに行ったライラの歯ブラシとか、見せた。
「ライラ、歯ブラシなら持って来たよ」
あたしに、自分のを見せてくれた。
でも、あたしが買って来たキャラクターの方が、好みだったらしく。
「ママの家ではこれ使うね」
と言ってくれた。
一緒にお風呂に入って。
ライラが新しいゲームソフト買ったんだ!って、ゲームボーイをやってくれているのを、横目で見ながら。
あたしは、ライラをじっと見る。
1ヵ月半なのに、何だか大きくなった気がするね・・・
「ライラ来た?」
あいつからメール。
「うん、来たよ!今、横でゲームしてる」
「そかー。明日、どこか行こうよ、公園とか」
「うん、いいよー」
「やったー♪楽しみだなぁ!」
あたしは、ライラに話す。
「ねぇ。H君、覚えてる?」
「うーん・・・?」
「覚えてないか・・・ママのお友達の、花火をひなちゃんと一緒に見に行ったお兄ちゃんだよ?」
「うーん・・・」
「そのお兄ちゃんがね、明日、ライラとママと三人で、公園に行きませんか?って」
「公園!?うん、行くー」
その夜。
あたしは、ライラと手をつないで、寝た。
ライラの小さな手。
寝ている間に離れませんように。
これが夢じゃありませんように。
願いながら。
眠った。
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