march forward.
りりかの独り言。

2002年11月02日(土) ゆっくりな時間

風邪はだいぶよくなってた。

あいつから「公園に行かない?」と誘われる。

「うん、いいよ」



久しぶりの休みだったし、どこか行きたいね、と話してて。

二人で公園に行った。

急だったから、お弁当とか作れなくて。

おにぎりだけ、急遽作って、おかずは買った。




向かった場所は芝生の公園。

広くて、斜面になってて。

子供たちがダンボールに座ってそりみたいなことしてた。

「あれ、やってみなよ」

あたしが言ったら、

「恥ずかしい・・・やってみたいけど」

とか、いうあいつ。




太陽がいい感じで出てて。

あたしは寝転がって、うとうとする。

あいつはあたしの隣でボーっと遠くを見てる。




「幸せだね」

突然言うあいつ。

「何、いきなり?」

寝転がったまま、あたしは聞く。

「何だか。こうして一緒にいる事が」

あたしは、頷くだけ。




そんな、ゆっくりな時間の流れ。

お日様がゆっくり傾いても。

あたしたちは、そのまま、寝転がって。




「手が、冷たいなぁ」

あたしの手を、自分の両手で包んでくれる。

あたしがあいつをじっと見る。

あいつはそれに気づいて、恥ずかしそうにする。

「何?」

「ううん、Hは優しいなぁと改めて思って」

「はぁ?」

「いいの。気にしないで」




「ちょっと寒くなってきたし、もう行かなきゃね。病み上がりなんだから」

あいつが、あたしの腕を持つ。

あたしは、ずっとここにいたいような。

そんな感じだったんだけど。




歩きながら、あたしはいっぱい話した。

なんか、どうでもいいような話。

あいつは「うんうん」って笑顔で聞いてくれる。

あたしが話しながら思い出して怒ったり、笑ったり、そういうのを、満足そうにみてる。

あたしが咳すると、すぐに背中をさすって、また話を聞いてくれる。



「あたし、あなたが、好き」


いきなり言ってみる。

あいつは、最初真顔になって。

すぐにいつもの笑顔になって。

あたしの頭をなでながら。



「俺も。ありがとね。好きでいてくれて」





本当に、好きだなぁって。

思ったんだ。





毎日急かされているみたいな、時間の流れの中にいるあたし。

たまの休みだからって、あれしなきゃ、これしなきゃって、いっぱい用事を詰め込んじゃって。

そういうの、あいつは知ってて。

こういうゆっくりな時間をくれて。






あたしは、あなたが、大好きです。

あなたも、あたしを、大好きでいてくれて。

ありがとね。


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