march forward.
りりかの独り言。

2002年10月29日(火) 夕焼け

朝、病院(今日は婦人科の検査の日)に行く前、だんな様から電話があった。

金曜日の事で。

「子供たちに話し掛けないなら、来てもいい。ただ、子供には前に話した通り、ママは仕事だと言うから、来なかった事にして」


それでもいいと思った。

子供たちの頑張る姿をみたいだけだから。

もちろん、話したりもしたいけど。

それだけでも、嬉しい。





なんて、強がったけど、かなり、かなーり、凹んだ。

やっぱり、会って話して、感想とかいいたいからね。





病院では、「生理が来なきゃねー」といつもどおりの検査結果。





そして、病院が終わり、一人でランチしようと思ってたら、あいつから電話。

「病院、どうだった?」

「変わりない」

「そっかー。今日は午後が休講になったから、ランチ一緒にしてもいい?」

「うん、いいよ、場所はー・・・」




少し待って、あいつが来た。

ランチを一緒に食べる。

余り食欲なんかなくて、ほとんど食べてもらったんだけど。


「ねぇ。なんかあったでしょ」

「なんで?」

「なんか、おかしい。病院で何か言われた?」

「言われてないよ、いつもどおり」

「じゃー、どうした?」

「何もないって!ねー、天気がいいから、どこかに行きたいね」

「そうだねー。じゃー、ドライブ行こうか」




車を走らせて、あてもなく、出かける。

ガソリン入れなきゃ、と言うあいつに、どこまで持つか、止まるまで走る?とか提案したり。(もちろん、却下)





「そうだ、夕焼け見ようよ」

あいつが言う。

「どこの?」

「前に行った、夜景の綺麗な公園の。病院の後だから、歩くの辛い?」

「ううん、見に行きたい」





車停めて、歩く。

ちょっと急な坂で。

前に来たときみたいに、手をつないで歩く。



まだ、時間的に夕焼けじゃなかった。

青空。

芝生の上で、ボーっとする。

犬が走ってて、その犬を子供が追いかけていた。

遠くで、お母さんらしき人が、笑顔で見ている。

あたしも、ああいう笑顔してたのかなと、ふと、ちょっと前を思い出す。



「学芸会があってね。子供が招待状をくれたの」

「よかったじゃん!」

「でもね・・・」



話し始める。

だんな様に言われた事。


最初はやっぱりだめって言われて、でも、子供に会わないならいいよって言われて。

嬉しいんだけど、悲しい。

自分の子供なのにね。

遠くから見るだけなんだって。

今、だんな様と子供たちは、あたしがいない生活に慣れようとしているから。

だから、会う事はだめなんだ。

子供たちを手放したのは、あたしだし。

それがいいと思ってした事なんだから。

だから、あたしにあわせないって言う、だんな様の気持ちも、分かるんだ。

あたしが逆の立場だったら。

電話と手紙だって、拒否したかもしれない。

それくらい、ひどい事、しちゃったんだから。




「だから、それだけでも、感謝しなきゃ、なんだよね」


あいつは、黙って、聞いてたかと思ったら。

涙ぐんでて。

「ごめん、ごめんね、りりかさん」

って、鼻声で言った。

「謝らないでよ、きみのせいじゃない」

「もっと、俺がしっかりしてたら・・ね」

「そんなことないよ、一番いいと思った結果なの。ね」





やっと、夕焼けが出て来て。

あたしたちは、黙って見てて。

だんだん、夕焼けの色と夜の色が交わって来て。

夜が来る。





明けない夜はない。




悲しい事ばかりじゃない。

きっと、これから、楽しい事だってたくさんある。

だから、前向きに、ね。





君が手をつないでくれる限り。

あたしは、幸せでいられるんだから。


 < back  INDEX  next>


りりか [MAIL]

My追加
エンピツ