march forward.
りりかの独り言。

2002年10月15日(火) 失ったもの

今日は休み。

だから、昨日はあいつの家に泊まって、昼間出かけた。

外は、暑くて。

嫌になっちゃうね、とか話しながら。





昨日の事は、話題に出ない。

それが、あたしには、なんだか怖かった。



2人であたしの部屋におく小物とかを見に行った。

今日はあたしの給料日だから、ランチをおごった。

車を出してくれたのは、あいつだしね。

荷物も持ってくれてたし。



いつもどおり、優しいあいつだった。

昨日の事に触れないのは、もう忘れたいからだよね・・・



「荷物置きに行きたいし。うちで夕飯食べる?」

あたしから、始めて部屋に誘った。

あいつも嬉しそうに、「いいんですか?」とか言ってくれた。





夕飯の材料を買いに行って。

一緒にあたしの部屋に行く。



あたしが台所に立つと、いつも必ずくっついて来る。

横で「ふーん、こうやるんだー」とか「さすが、主婦、手際いいなぁ」とか言う。

「いいから、あっち行ってて!!!」

「暇なんだもん・・・」

「テレビ見るとかさぁ」

「やだー。ここにいたい」

「なら!お風呂、お風呂に入りなよ!!」

「ええー・・・」


あたしは何とか、お風呂に入らせることに成功。

その間に、作っちゃうか〜。





2人で夕飯食べて。

テレビ見て。




まったりした時間を過ごしているとき、突然言われた。




「りりかさん、本当に無理矢理だったの?」


あたしは言葉の意味が一瞬分からなくて。

「は?」

って言った。



あいつは、首のキスマークを見てた。

それで、気づいた。




無理矢理。

確かに、あたしはびっくりした。

何してんの?って思った。


けど。

キスされたとき、あたしは抵抗しなかった。

首にキスされたとき、あたしは抵抗しなかった。



きっと、もし、あのまま抱かれていたら。

抱かれていても。

あたしは抵抗しなかった。




何で?

分からないけど、そう思った。

だんな様としたいとか言うわけじゃなく。









「あたしは、嫌だったよ・・・」

「でも、もしもこうして」

あいつはあたしに覆いかぶさる。

「キスマークつけられる位の至近距離になったとき。抵抗してたら、無理じゃない?」




あたしは、黙ってしまった。




「今日は、帰るわ」



外は雷がなって、大雨だった。

昼間の快晴が嘘みたいに。




あたしは、何かを失った気がした。

それは、あいつの信用。




あたしは、泣いた。


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