今日は休み。
だから、昨日はあいつの家に泊まって、昼間出かけた。
外は、暑くて。
嫌になっちゃうね、とか話しながら。
昨日の事は、話題に出ない。
それが、あたしには、なんだか怖かった。
2人であたしの部屋におく小物とかを見に行った。
今日はあたしの給料日だから、ランチをおごった。
車を出してくれたのは、あいつだしね。
荷物も持ってくれてたし。
いつもどおり、優しいあいつだった。
昨日の事に触れないのは、もう忘れたいからだよね・・・
「荷物置きに行きたいし。うちで夕飯食べる?」
あたしから、始めて部屋に誘った。
あいつも嬉しそうに、「いいんですか?」とか言ってくれた。
夕飯の材料を買いに行って。
一緒にあたしの部屋に行く。
あたしが台所に立つと、いつも必ずくっついて来る。
横で「ふーん、こうやるんだー」とか「さすが、主婦、手際いいなぁ」とか言う。
「いいから、あっち行ってて!!!」
「暇なんだもん・・・」
「テレビ見るとかさぁ」
「やだー。ここにいたい」
「なら!お風呂、お風呂に入りなよ!!」
「ええー・・・」
あたしは何とか、お風呂に入らせることに成功。
その間に、作っちゃうか〜。
2人で夕飯食べて。
テレビ見て。
まったりした時間を過ごしているとき、突然言われた。
「りりかさん、本当に無理矢理だったの?」
あたしは言葉の意味が一瞬分からなくて。
「は?」
って言った。
あいつは、首のキスマークを見てた。
それで、気づいた。
無理矢理。
確かに、あたしはびっくりした。
何してんの?って思った。
けど。
キスされたとき、あたしは抵抗しなかった。
首にキスされたとき、あたしは抵抗しなかった。
きっと、もし、あのまま抱かれていたら。
抱かれていても。
あたしは抵抗しなかった。
何で?
分からないけど、そう思った。
だんな様としたいとか言うわけじゃなく。
「あたしは、嫌だったよ・・・」
「でも、もしもこうして」
あいつはあたしに覆いかぶさる。
「キスマークつけられる位の至近距離になったとき。抵抗してたら、無理じゃない?」
あたしは、黙ってしまった。
「今日は、帰るわ」
外は雷がなって、大雨だった。
昼間の快晴が嘘みたいに。
あたしは、何かを失った気がした。
それは、あいつの信用。
あたしは、泣いた。
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