march forward.
りりかの独り言。

2002年10月14日(月) 返って来る。

朝から仕事で、夕方からあいつと会った。

あたしは、昨日の事、もやもやしてた。

首のキスマークはファンデーションで隠した。



やましい事はない。

あたしは何もしていないんだから。



なのに隠した。

隠したのは、嫌な気分にさせたくなかったから。



これが、始まり。







ドライブに行った。

あいつが、あちこち回ってくれた。



「眠くなったら、寝ていいよ。昨日も遅くまで働いて、今朝も早くから働いて。疲れているでしょ?」

「うんー。ありがと、でも寝ないよ。平気」




なんて言ってたくせに、あたしは寝ちゃった。

寝る寸前に、あいつが頭をなでてくれた。

運転しながら、あたしの頭をなでてた。


それが心地よくて。

疲れているのも助長して。


あたしは眠りに落ちて。






気がついたら、あいつの家の駐車場だった。

エンジンは止まってた。

あたしが寝ちゃったから、起こすの悪いと思って、起きるまで待っててくれたんだなぁって。


勝手に解釈。

勝手に「優しいなぁ」って思って。

勝手に感激したりして。







「ごめん、寝ちゃってたね・・・」

あたしは、笑顔で言った。

あいつは黙ったままだった。

黙って、前のフロントガラスとか見てて。

「?」

あたしは、どうしたのかな??と、あいつの顔をのぞきこむ。




あいつと目が合った。

でも、目をそらされる。

そして、車を降りる。

あたしもあわてて降りる。

歩きながら「ねー、どうしたの?」と、聞くあたし。



あたしは、マジで分からなかった。

すっかり忘れてた。


キスマークの事。





あいつが、ちらっと、あたしの首を見たときに気がついた。

はっとした。

あたしは、あわてて首を押さえた。

無意識に、反射的に。





それが、かえってまずかったらしい。

「何隠したの?」

て、突っ込まれる。

あたしは、黙ったまま。

「何があったの?」

あたしは、やっぱり黙ってしまった。




このキスマークは無理矢理だよ。

と言えば済むかもしれない。

確かに、無理やりっぽかったし。

でも、部屋に入れて泊まらせようとした事とか。



キスをされた事とか。

キスは抵抗しなかったこととか。


言えない。




嘘ついて、「無理矢理いきなり」と言えばいいのかもしれない。

けど、嘘もつきたくない。






あたしは、言う事にした。

本当に、あたしにはそんな気がなかったこととか、信じて欲しいから。

まずは、本当の事から話そう。

そう思ったから。





だんな様が家の前にいた事。

飲んじゃったから、泊めてと言われた事。

何もないと思って、泊めようと思った事。



でも、キスされた事。

そして、キスマークをつけられた事。





「本当に、それだけ?」

「それだけに決まってるでしょ。あたし、帰ってって言ったんだから」





あいつは、やっぱり黙り込んだ。

そして言った。




「自分がした事、返って来るのかな」



あたしを、信じられないの?

そう言おうと思ったけど、やめた。



「りりかさんがだんなさんに会うのは、子供の事とかあるし、仕方ないと思う。でも、二人きりで泊まるとか、やっぱり俺嫌。でも、俺はそういうことしてた。だから、我慢しなきゃなのかなぁ?」



あたしは悲しくなって。

そんな風に思わせた事とか。

そんな風に考えなきゃならないって思っているこの人に申し訳なくて。




泣いて謝った。





あいつは、よしよししてくれてたけど。

何だか、いつもと違う感じがした。

あたしが勝手にそう思っただけかもしれないけど。

何だか、違う感じがしたんだ。





だから。

凄く不安になった。


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