march forward.
りりかの独り言。

2002年10月13日(日) キスマーク

だんな様の引越し。

業者に頼んだから、掃除もすべてやってくれた。

あたしは一応、顔だけ出した。

でも、だんな様のお兄さんとかいて、ちょっと居辛かったから、すぐに帰った。昼から仕事もあったし。

子供たちが来るかな、と期待してたんだけど。

少しがっかりしながら、職場に向かう。





徒歩でも通える距離になったから、通勤は楽になった。

夜中近くまで働いて、家に帰ると、家の前で待ってた。


だんな様が。



「どうしたの?」

「明日休みだし、飲んじゃったから、運転自信ないし。泊めて」

「はぁぁぁぁ???」

「だめ?」



だんな様は運転がうまい。

飲んでいても、全然うまい。

けど、そんなの理由に来るって言うのは、なんなんだろう・・・



「だめじゃない、けど・・・」

「けど、だめ?」

「うーん・・・まぁ、ここで話すのもなんだし、入る?」

「悪いねー」






だんな様は部屋の中、いろいろ見回してた。



「なによ?物色?」

「いやー、本当に一人で暮らすんだなぁって思って」

「どういう意味よ?あいつと同棲すると思ってたの?」

「いや、そういう意味じゃないけどね」

「泊まらせた事もありませんー」



だんな様は満足げに笑った。

ちょっと、酔っているし、いつもと違う気もした。




あたしは疲れていたし、うとうとしてた。

そしたら、だんな様も横になって来た。

あたしのすぐ横に。



あたしは驚いて飛び起きる。


「なに???」

「眠いんだよ。この部屋狭いし」

「だからって、真横に来なくてもよくない???」

「りりかー」





だんな様があたしの肩に手を乗せる。

あたしは、その手をよける。

でも、肩を強く摑まれる。


そして、いきなり抱きしめられた。




「やめてくれない?」


あたしは、冷静に言った。

怒っているわけではなかった。

ただ、嫌だった。



「そういう感情、ないから」


あたしは、淡々と言った。





だんな様はあたしの肩に手を置いたまま、あたしの目を見る。

あたしもだんな様の目を見た。



だんな様はあたしにキスをした。

あたしは目を開けたまま、今起こっている状況を理解しようと思った。

なんで、あたしはこの人にキスされているんだろう・・・なんで?

だんな様の手が胸に来る。

だんな様はあたしの首にキスをする。

キスマークをつけようとしているのが分かった。

あたしはカッとなって、離れた。





「ねぇ。帰って欲しい」

あたしは、さっきより数倍大きい声で、しかも怒りに満ちた声で言った。



「ごめん・・」

「帰って。もう、来ないで、ここに」




家に入れた事とか、泊めようと思った事とか、全部後悔した。



「さよなら」

あたしは付き離すように言った。

だんな様は何も言わないで、出て行った。




首に、キスマークが付いちゃってた。

あたしはそれを見て、悲しくなった。


だんな様はキスマークとかつける人じゃなかった。

なんで、別れた今、そんな事をするんだろう。



なんでって。





あいつとの仲を終わらせたいからなんだよね。


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