march forward.
りりかの独り言。

2002年10月11日(金) 始めての夜

朝から引越しだった。


バイトの子たちと友達と、みんなで手伝ってくれた。

昼前には終わって、そのままランチにして、夕方夕飯みんなにをおごって。

あいつは呼ばなかった。

なんとなく、みんなとワイワイいたかったから。





みんなと別れた後、一人で自分の部屋で、やっぱり不思議な感覚になった。

周りにある家具とか、見慣れたものに囲まれているのに、何だか違う雰囲気で。

模様替えとかしたときとは違う。

何だか、変な感じで。




すごく、不安になった。

ここで、あたしは、暮らして行くんだってことに。

一人で、やって行くんだって事に。




「寂しくない?」



メールが来た。

相手はあいつじゃなく、だんな様だった。

だんな様の引越しは日曜日。

子供の荷物とか机とか運ぶらしい。




「寂しくないって言ったら嘘かな。何だか、一人の夜って怖いね」

「りりかは、怖がりだからなぁ。一人でトイレ行くのも怖がってたじゃん、夜中は」

「でもそのうち慣れるでしょ、そう言うのも」

「慣れなきゃね。自分で決めたんだから。彼は来ないの?」

「今日は一人暮らし記念だから、一人でいたかったの」

「そか。泣くなよー!」

「泣かないよ!!!」





あたしは、なかなか眠れなくて。

寝返りを何度もうったりして。

枕を裏返したりして。





一人になって、始めての夜は、眠れないまま過ぎた。





あたしはやっと、今頃。

「離婚したんだ」

と思った。


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