march forward.
りりかの独り言。

2002年10月09日(水) お客さま

昼間部屋に行った。

あたしの、新しい部屋。

買い物して、電気もつけた。

夜来ても平気だね。




部屋の掃除をしてたら、あいつから電話が来た。

「今日休みでしょ?今何してるんですか?」

「新しい部屋の掃除」

「あー!そか、引越しもうすぐだっけ?」

「うん」

「手伝いに行ってもいいですか?」

「引越し?」

「じゃなくて、今、掃除」



ちょっと迷った。

別にあいつを入れる気はないとかじゃないけど。

まだ、あたしとここを紹介してくれた友達以外入った事のない部屋で。

ちょっと、迷った。



「男手があったほうが、何かと役に立つと思うんだけど」


確かに天袋とか掃除しようと思っても、椅子に乗ってもなかなか難しかった。

あいつなら、らくらく出来そうだな。

それに、そんなにこだわる事もないんじゃない?


とか、一人で考えて。



「うん、じゃーお願い。場所分かるよね?」




あいつは、昼ごはんを買ってきてくれた。

テーブルとかないよ?ってあたしが言ったら、膝に乗せてピクニックぽく食べようよ、と言う。




「お客さま、第一号だ」

あたしが、言う。

そしたら、あいつが首を振る。


「お客さまって言う扱いは、なんか嫌だなぁ」




だって、お客さまじゃん。

ここの住民じゃないんだし。



でもね、俺はりりかさんがうちに来ても、お客さまとは思ってないよ。

なんだろ。

たまに来る、同居人?(笑)






でも、やっぱり、あたしの中ではお客さまだと思った。

それと、不思議な感覚になった。

今までは会うのは、あいつの部屋か外。

あたしの住む場所で会うなんて事、ないと思っていたから。

だから、不思議な感覚だった。




いろいろ掃除してくれて、買い物にも付き合ってくれた。

やっぱり、あたしだけじゃ大変なことも、あいつがいてくれると助かったりする。

だから、あたしは素直に「ありがとう」を言う。


来てくれて、ありがとう。って。



「いつでも、呼び出してね」






あたしの新しい生活の中に。

あいつはいないと思う。

これから始まる、あたしの生活の中に。



いないっていうのは、別れるとかじゃなくて。

なんていうか、うまく言えないけど。

一緒に共同で進んで行くのじゃないと思う。



あたしはあたしの。

あいつはあいつの。




道が違う。

そう言う風に思う。

ずっと先で交わるのかもしれないけど。



今くらいの、距離があたしには心地よい。

付かず、離れず。

そんな距離。



あいつはきっと、べったりしていたいんだと思う。

そして、あたしも心の奥底で、それを望んでいるのかもしれない。


でも、出来ない。

べったり一緒に生活。

そんなのが今は出来ない。

出来ないのは、きっと、あたしが傷つけた人たちの事を考えるから。




自分だけ、幸せになっていいの?




最近、よく思う言葉。


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