march forward.
りりかの独り言。

2002年10月08日(火) 皮肉

病院だった。

朝から病院に行った。

婦人科の検診。



生理は来ていなかった。

ずっと来ていない。

けど。



排卵はしているみたいだね、と言われた。




あたしの苗字が変わった事を、女医さんは当たり前だけど知っている。

どんな事があって離婚したのか、そう言う事は聞かれないけど、優しく言った。

「妊娠はする可能性は出来たね。後は生理だね。でも、いろいろあると思うし、余り生理が来ない事を重要視しないでいいんだからね」




妊娠する可能性。





あたしは、子供はいらない。

前なら、あいつのために子供が出来ないあたしの体を悩んだりした。

でも、今は子供は、あたしの3人の子供たちだけでいいと思っているから、いらない。

欲しくない。




そう言う風な考えに変わってから、妊娠できるかも、なんて言われるなんて、皮肉だね。






「検査はどうでした?」


あいつから、メールが来る。

あいつは、今日は面接の日。

だから、病院に一緒に行けないけど、ごめんね、とかしきりに謝っていた。




「いつもどおり」


あたしは、嘘を言ってしまった。

なんでかは、分からないけど、言ってしまった。



きっと、「妊娠する可能性も出てきたねって言われたよ」って言ったら、ものすごく喜んでくれるに違いない。

なのに、あたしは嘘を付いてしまった。




「そかー。気長に頑張って行こうね」




子供は、欲しくない。

あいつと一緒に、たとえ再婚したとしても、子供は欲しくない。




あいつは、セックスのときに、絶対避妊する。

あたしがずっと前に、

「あたしは妊娠しないんだし、することないよ?」

って言った。

そしたら、

「それじゃ、りりかさんとやりたいだけのために、これ幸いと避妊しないバカ男見たいじゃん」

って言われた。



「嫌なんだよ、妊娠しないから中出ししていいとか、そう言うの。だって、妊娠する可能性があったら、絶対に避妊するのに、とかじゃん?今は責任取れないかもしれないんだから。なのに、妊娠しないなら避妊しないなんて、なんか、だめなんだよね。からだ目当てみたいで」

変なとこ、堅いな、と思った事があった。


そして、こう言われた。

「俺が妊娠させてもやって行ける位になったら、避妊しないから」







あたしは、もう、妊娠する事はない。

それは、あたしがこんなふうに周りをかき回して、ぐちゃぐちゃにして、子供まで捨てた罰だと思っていた。

だから、あたしに子供なんかを授けたらいけないって、神様が怒って、あたしから妊娠と言う機能を取ってしまったのかと思った。


それを素直に受け入れようと思っていた。

あたしには3人の子供たちで充分だと思って。

だから、それでいいと思ってた。

むしろ、いらない、妊娠できない体でよかったと。



なのに、そう思ったとたんの妊娠出来るって言葉。



皮肉。


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