2002年09月25日(水) |
そしてこんなときなのに。 |
あたしは。
「抱いて欲しい。ぎゅーじゃなく、エッチがしたい」
と言った。
あいつは、泌尿器科に何度か通った。
いろいろな検査をしたらしい。
そして、血糖値もホルモンも問題なく。
精神的なものだろうといわれた。
バイアグラは、まだ若いんだから、薬に頼る事を考えずに。
自力で治して行こうと言われた。
そして、そのあとも、あたしたちは何回か、そう言う関係になった。
けど、やっぱり出来なかった。
それでも、あいつはあたしを裸にすること、あたしが恥ずかしがること。
そして、あたしが言う、
「変な感覚になる」
「お願い、もうやめて」
と言う言葉に、満足していた。
「いつもと違うりりかさんがすっごく楽しい。こう言うときは、弱気なんだもん」
だから、何度も出来なくても、やりたがった。
あたしは、だんだん、ゼンギのよさが分かってきたような感じがする。
「イク」という感覚にはまだ達していないけど。
でも、こんな風になるんだっていうことが。
普段のあたしじゃないみたいで。
それが、自分の中で楽しかったりした。
だけど、一生懸命ゼンギをしてくれてても、結局出来ないあいつに悪くて。
自分だけが楽しんでいる事に罪悪感を覚えたりして。
「今日、挑戦してみようか?」
と、言われたりしても、拒否して来た。
でも、セックスがしたかった。
セックスと言うより、ゼンギをして欲しかった。
体がおかしくなる、あの感覚を。
味わっていたかったから。
いつもどおり。
あいつは優しくて。
そして、あたしを重視で。
あたしは、波が来るところで、いつもは怖くなってやめてと頼むんだけど。
やめてと、言わないでみた。
すごく、変な感覚だった。
怖いくらいに、変な感覚で。
必死にあいつの手を握った。
「大丈夫?」
気がつくと、あいつが頭をなでてる。
凄く時間がたったようにも感じるし。
あっという間な感じもした。
力が入らない。
凄い脱力感だった。
あいつがコンドームを付けた。
あたしはボーっとしながら見てた。
頭が回ってなくて。
最後まで、出来た。
あたしは、終わってから、出来たんだ、という事に気づいた。
あいつは、あたしの髪をなでて、頬をなでた。
「治ったのかな・・・」
あたしが言うと、
「分かった気がする」
と、あいつが言った。
あたしがセックスが嫌いで。
いつも嫌がって。
「挑戦しようよ、出来るか出来ないか」
と言う言葉も、さっきの通りあたしだけと言う感覚が嫌で。
ずっと、拒否し続けて。
それが、あいつにとっての負担だったらしい。
あたしが嫌がっているのに。
あたしはセックスが嫌いなのに。
だから、あたしに無理させている、と言う感覚から。
出来ないでいた。
今回は、あたしから誘った。
そして、あたしはやめて、と言わなかった。
それが、出来た理由につながったと言われた。
こんなときに、セックスする事になり。
こんなときに、あたしは感じる事が出来て。
こんなときに、あいつも出来るようになった。
そして。
あたしは思った通り。
感じている間は。
不安なんか消えてた。
でも。
思った通り。
終わった後に、津波のように押し寄せる罪悪感と不安に。
押しつぶされそうになった。
|