march forward.
りりかの独り言。

2002年09月23日(月) 号泣

まず、あいつのことから。



あいつは、実家に帰ってる。

昨日の夜中、メールが来てた。

センターで止まってて、あたしは今朝見たんだけど。



親御さんと話した内容とか、長々と綴られてた。



説得を一生懸命した事。

それは。


こっちで働きたい事。

いつかは後を継ぐから、それまでこっちに住みたいという事。

そのいつかは、具体的に何年以内とか言えないけど、必ず帰ると約束すると言った事。



親御さんは。



人の幸せを奪ってまで手に入れた人間は、絶対に幸せになれない。

自分たちの事ばかりじゃなく、ちゃんと子供たちの事を考えなさい。

そうしたら、そんな勝手な事言えないはずだ。




と、言ってきたらしい。



話は平行線になり。

明日(今日)また話すよって書いてあった。


あたしは、子供たちをだんな様が引き取りたいと言い出した事をいえなかった。

まだ、はっきり決まったわけじゃないし。




だんな様が引き取りたいって言った事に対して、妹はこういった。


「考えたくないけど。もし、Hちゃん(あいつ)が、『なら、子供たちを引き取ってもらって、二人きりでやって行こうよ』って、これ幸いと言ったらどうする?」



考えたくもないけど。


考えたくない。




でも、あたしはいろいろとまた思い悩んでしまった。

今回は、あいつにも話さずに。

一人で。




あいつにとっての負担が減る事になるのかもしれない。

なるのかもしれない。って言うより、きっとなるんだろう。

あたしだけと暮らして行くのと。

24時間態勢で、他人の子供と暮らして行くのとでは。


重さが、全く違うから。



もしも。

妹が言ったように、これ幸いと『なら二人きりでやって行けばいいじゃん』って、軽く言われたら、どうしよう。

言わないよね?

言わないで。


もしも言われたら。


あたしは、もう。

付き合って行く事は出来ない。



そんな風に、あたしはまたもやもや考え始めてしまったりして。



結局、そのことには触れられなかった。







そして。

だんな様と夕方、また話した。

車の中で。

子供たちには、買い物に行くって言って、家にお留守番させて。




あたしは、昨日と同じ事を何度も言った。



子供たちと離れる気なんか全くない。

最初は、それでいいと言ったのに、いきなり変わるなんて、どう考えてもあなたの親の都合としか考えられない。

子供があなたや、あなたの親と暮らす事を取るなら、それであたしは仕方ないと思う。





そして、言われた。


「りりかは彼と一緒になって、もしかしたら彼の子供が出来るかもしれない。そのとき、りりかはどっちの子供の母親でもあるから、同じ愛情を掛けられるかもしれない。でも、彼はどうかな?全くの他人の子供と、自分の子供と、一緒の愛情なんか掛けられるのかなぁ?そして、愛情が偏っている事を子供たちが知ったとき、幸せなのかな?」




胃が、きりきりした。

今のあたしに、「絶対にそんな偏ったりしない」なんて、言い切る事が出来ないから。

大体、あいつに子供をだんな様が引き取るって言い出した事さえ、怖くていえないくらいなのに。



別に、あいつを疑っているわけじゃない。



でも、怖い。



言い出す事が、今、出来ない。

どんな答えが返って来るか。

その答えによって、あたしの気持ちが揺れるのが分かっているから。



揺れるんじゃない。



きっと、急速に冷めて行くんだろうと思う。





だんな様が今夜から子供たちを連れて、実家に帰ると言う。

あたしは嫌だって言った。

だって、実家に連れて行かれて、何を吹き込まれるか分からない。

そんな風には言えないけど。


あたしは、大反対した。



「学校だってあるんだよ!?」

「休ませればいいだろ。今週いっぱいだよ、火曜から金曜まで」

「そんなにたくさん、だめだよ!」

「じゃ、これは子供たちに聞いてみようよ」



そんなの、子供たちは休んでおじいちゃんの家、なんて、大喜びで行きたがるに決まってるのに。

こんなときだけ、子供の意見を尊重するんだ・・・



「ずるいよ」

あたしは、泣きそうなくらいに悔しくて、でも泣きたくなくて。

「あなたは、いつもそうやって、ずるいんだよ・・・」

って、言った。



だんな様は、泣きそうなあたしの事なんか見ないまま。

家に向って車を走らせてた。





そして、夜。

子供たちは、だんな様と一緒に、だんな様の実家に向かった。





あたしは、とてつもなく、寂しくなった。

この世で、一人ぼっちになってしまったような感覚で。



ベットの中で、大声で泣いた。

大声で泣いても、声を聞きつけて、「どうしたの?」と聞いてくれる子供たちはいない。





妹から、メールが来た。





今まで、旨く行きすぎてたんだよ、りりかちゃんは。


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