march forward.
りりかの独り言。

2002年09月08日(日) 夫婦喧嘩

だんな様と、土曜の夜中(今日の日付に変わって)もずっといろいろ話してた。

だんな様は飲んでいたので、ちょっと酔ってた。

話しながら、何度かあいつから携帯にメールが来てて、それを返した事があった。

でも、4時間くらいの間に3回。

本当はもっと返したかったけど、だんな様と話しているときとかにメールするのも悪いかな、と思って、だんな様がトイレに行った時とか、会話が途切れたときを見計らって、返事してたんだけど。

で、3回目の返事をして、すぐまた返事が戻ってきたとき。



だんな様が言った。





「お前はいいよなぁ」

って、最初は静かな口調だった。

「何が?」

最初は、あたしも訳が分からなかったから、笑顔で聞いた。

「楽しそうで」

「楽しそう?」

やっぱりあたしは、意味が分かってなかった。

「楽しそうだよ」

「え?え?なにが?」

「何がって・・・離婚するって言う状態って、普通じゃないわけじゃん?でも、りりかは楽しそうだよなぁって思ったんだよ」

「そんなことないよ」

「俺はさ、一人になるわけじゃん?でも、りりかは違うんだもんなー。楽しい毎日が待ってるわけじゃん?」

もしかして、メールのやり取りしてる事で、腹立て始めてる?

って、ようやく、あたしが今、怒らせちゃっていると言う事に気づく。




「あ・・・いろいろと、問題とか悩みもあるよ?」

「そりゃーまったく悩んでもなかったら、おかしいだろ、頭」


最後の「頭」って所で、ちょっとカチンと来た。

でも、あたしは低姿勢。

あたしのわがままから、始まった事なんだから、あたしが我慢しなきゃ・・・とか思って。


「ごめん」

って、謝った。



「何に対して、謝ってるの?」

「こうして話している最中に、メールとかした事・・・」

「まー、それもなんだかなぁって思ったけど。そんな小さい事言ってるんじゃなくてさ。りりかは、楽しそうだって事。離婚万歳!見たいな?」

「そんなことないよ!!!」

「じゃー離婚したくないんだ?」

「・・・。」



言葉に詰まる。

離婚したくないの?したいの?って言われたら、したい。

それは、もう決めた事。

あたしが、自分勝手に幸せになる道を、選んじゃったから。

選びたかったから。




「よそうよ・・・」

「いや、はっきり言いたい。りりかは、追い詰めたよね、俺を、結局」

「・・・」

「食べられないとか言う、甘えた事言って、騒いで、離婚しなきゃ死んじゃうって言うプレッシャーを与えたんだよ」

「・・・ごめん」

「ほんとは、食べられたんじゃないの?なのに、食べなかったんじゃないの?」




あたしは、悲しくなった。

本当に、本当に、食べられなかったんだ。

あいつと別れるって決めて、別れて。

何もする気力もなくて。

食べるって言う意識がなくなったんだ。

苦しかったよ。

食べられるなら、食べたいって、思ったよ。

仕事にも支障が出るし、いつもだるいし、子供たちの相手さえ辛いくらいになって。



でも、そんな風に、狂言みたいに言われて。

あたしは、悲しくなった。



悲しくて、悲しくて。

でも、泣くのは嫌だって思って。

なんか、負ける気がして、泣くのはいやだって思って。




唇をきゅっと、かみ締める。




だんな様は、攻撃する手をまだ緩めない。



「俺だって、りりかの事好きで、愛してて。それで、別れるって決めて、苦しかったし、辛いけど、食べられるよ?確かに食欲は余りわかなくて、酒とつまみ、見たいな感じばっかりだったけど。でも、食べられるよ?」



そんなの・・・

あたしとあなたの、精神の強さの違いなんじゃないの?



または・・・



「あたしのこと、そんなに好きじゃないからじゃないの?」



つい、口に出してしまった。

悔しくて。

でも、口を開いたとき、一緒に涙もこぼれた。




「ばっかじゃねーの???」



だんな様が怒鳴る。



「なんで、そんなに好きじゃないんじゃない?なんていえるの?お前、狂ってるよ。俺がどんだけ、お前の事を考えて、苦しんでいるか、分からないの?あ、そりゃ、分からないかー!だって、りりかには、あの大学生がいるんだしね!!!」

「あいつに、お前は狂わされたんだよ。きっと、頭だけじゃなく、人生も狂うよ、お前の!!!」



あたしは、言い返せないで、嗚咽を漏らして泣き続ける。

さっきまで、一緒に買い物に出かけた、だんな様じゃないみたい。

あたしが傷つくだろうと思う事を、どんどん言う。

でも、あたしが付けた傷は、きっとこんなものじゃないんだろうと、冷静に考えるあたしもいる。




「りりかは、冷静になれてない!普通に考えて見ろ。20歳そこそこの大学生に何が出来るんだ?たとえ卒業したって、この不景気、どうやって食っていくんだ?お前と子供たちを養うとか言ってたな?どうやって?フリーターでか?そんな生活に疲れて、あの彼はお前と子供たちを捨てるんじゃない?で、それでまた、食べられないーとか、お前はバカみたいになんの?で、彼は助けてはくれないと。でもね、そう言う男だと思うよ?人のもの欲しがるような、子供だからね、あの男は。手に入ったら、もうどうでもよくなるんだよ」


言い返さないで、全部聞いていようって決めたけど。

何だか、我慢出来なくなった。

泣いて、興奮しているあたしがいる。



「あたしは、一緒になるつもりはないもん!」

「あぁ?」

「あたしは、再婚するつもりはない!!!」

「再婚しなくても、付き合って行くんでしょ?それでさ、彼に捨てられたら、お前はどうすんの?って言ってんの」

「どうもしない!」

「どうもしないー?んなわけないじゃん。お前は、きっと、俺が今味わっている苦しみを味わうんだよ。愛する人が自分から去っていく悲しみとか?自分がした事は戻ってくるんだ。覚えておくんだな」



頭ががんがんした。

なんで、こんな事いっぱい言われなきゃいけないの?

なんで、最後の最後まで、こんな風に言われなきゃならないの????



あたしは、冷静さなんか失ってた。

とっくに。



「あんたが、そんなんだから。そんな風に、嫌な言い方しかしない人間だから、あたしはあんたなんかに愛情なんかなくなったんだよ!!あんたこそ、自分が今まであたしにして来た事、全部精算されるくらいの勢いで戻ってきたんじゃないの???だから、こんな風になったんじゃないの!?」





今考えると、ものすごくひどい事を、あたしはいってる。

でも、全然考える余裕なんかなかった。

もう、だんな様なんか大嫌い、顔も見たくない、絶対に別れて正解!!!位に考えてた。




だんな様は、黙ってた。

きっと、ものすごく凹んだんだと思う。



あたしは、泣きながら寝室に行って、そのまんま寝た。



朝起きると、だんな様はリビングのソファーで寝てた。

お酒も、かなり減ってた。



あたしは、なんだか、だんな様と顔を合わせるのが嫌で。

子供たちを連れて、そのまんま実家に行った。






これが、最後の夫婦喧嘩になるのかな・・・



って、実家に行く途中の車の中で、考えた。


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