march forward.
りりかの独り言。

2002年08月28日(水)

午前中、退院した。

母が来てくれて、実家に帰った。

食事は、まだ出来ないけど。

でも、また、ヨーグルトとかなら、食べれるようになった。





母は。

あたしに何も言わないし。

あたしに何も聞かない。




「ママ、あたしの事呆れてる?」



洗濯物を干す母の後姿に、聞いて見た。

母の手が止まって。


「私は、自分自身に呆れてる」


と言った。




あたしの事を。


強くて。

頑張り屋で。

負けず嫌いで。



ちょっとやそっとのことじゃ、倒れたりしない人間だと思っていたと。



だから、そんなあたしに気づかなかった自分に呆れていると。


「私は、あんたの親なのにね。昔から、親らしく無かったね、私は。あんたの生理が止まった時、帰ってこさせればよかったなぁって思うよ」





あたしは、17歳で周りの反対を押し切って出来ちゃった結婚して。

そして、いろいろな事があったけど、あの時反対した人たちに、

「やっぱりだめだったね」

と言われるのが怖くて。

自分は幸せだ、自分は間違ってなかったんだ。

って、言い聞かせてきてた。

辛いときも。

悲しいときも。

親にも言えず。

あたしは、走って来て。



意地張って。





だんな様が一時期、あたしを殴っていた事。

だんな様が女遊びしてた事。





「だから、あんな簡単に相手を見極めないで、結婚するからー」



言われたくなくて。




「いいだんな様だよ」




自分に言い聞かせるように。








母は、そう言うこと、全部だんな様から聞いたらしい。



「あんたは。何も言わないから・・・幸せなんだとばかり思ってたよ」


幸せだと思ってたよ・・・

あたしも。

これが、あたしが小さいころから欲しかった、幸せなんだって。家族なんだって。

ずっと思ってたよ。

でも、結局壊したのは、あたしなんだ。

あたしが、もっとちゃんと変われば。

この幸せは続いたのに。

あたしが、あたしから。


壊してしまったんだ。







夜。

仲良しの主婦から、電話が来た。

仕事は、無理言って、来月の3日まで休む事になった。

有休残ってて、よかったね、とか。

結局、辞めないでしょ?とか。

仕事の話ばかりして。




そして。


「ねぇ。りりか、着信拒否してるんだって?」


ドキッとした。



「何が?」

「H君だよ。してるんでしょ?」

「何で知ってるの?」

「聞いたから」




何度も何度も。

電話しようって思った。

メールしようって思った。



何度も何度も。



会いたいって思ってた。





でも。

あたしから、あんな風にだんな様の元に帰る事を取ったのに。

今更・・・そんなの許されないって。





「代わるよ」

「え?」


あたしが、聞き返すと同時に。

あいつが電話に出た。




「・・・りりかさん」




久しぶりの。

久しぶりの、あいつの声だった。



あたしは黙ったまま。





「ちゃんと聞いてて。何も言わなくていいから。切らないで」





あたしは震えてた。

何で?

って言われたら、分からないけど。

ものすごく震えてた。

寒くもないのに。




ずっと、聞きたかった声なのに。




怖かった。

何を言われるか、怖くて怖くて。









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