昨日の続きです。
あたしはあいつに伝えた。
今思っている事。
あたしが考え出した結果。
「だんな様とは別れない」
顔なんか見れるはずもなく。
このまま走って帰ってしまいたかった。
逃げ出したかった。
世界で一番。
子供とか肉親抜きにしたら。
世界で一番。
愛している人に。
あたしは、「別れ」を告げている。
矛盾を感じた。
なんでこんなことしなきゃならないんだろう。
なんでなんで・・・
何が一番いけないのかなぁ。
何が一番いけなかったのかなぁ。
あたしが結婚した事?
あたしがあいつを好きになった事?
あいつがあたしを好きになった事?
いつだったか。
あいつが、それら全部。
間違ってないよ。
って言ってくれたときがあった。
結婚した事も。
好きになった事も。
全部間違ってなんかいないんだって。
この言葉で。
あのとき、あたしは。
どれだけ楽になったんだろう。
そのとき、あたしは。
どれだけ、心が軽くなったんだろう。
そんな言葉をくれたあなたに。
あたしは、さよならしなきゃなりません。
あたしは、涙が溢れて来て。
あいつも、泣いてた。
それを思い出して、今も泣いている状態。
「それは、もうお別れって事なんですよね」
あたしは、言葉なんか出なくて、うなづくのが精一杯でした。
「泣かないで・・・悲しまないで・・・そういうりりかさんは、見たくない」
そんな事言っているあいつが、泣いている。
あたしも同じ言葉を返すよ。
泣かないで。
悲しまないで。
見たくないよ。
雨が降ってた。
台風が近づいて来てた。
風も凄かった。
あたしも一緒に。
どこかに飛ばしてください。
「これから、笑顔で接客!って言う仕事なんだから。泣かないで」
あたしを抱きしめる。
手が、震えてる。
肩も、震えてる。
あたしも、震えてた。
これから、どこまでこの悲しみと切なさと。
苦しみが。
続くんだろうって。
考えたら怖くなった。
「やっぱり、無理!!!」
言えたらどんなに楽なんだろう。
「りりかさんの香りがする。これが、りりかさんの香りなんだよね」
訳が分からない事を言われる。
あたしは黙ってた。
「忘れないようにしたい。でも、忘れちゃうのかな、いつか。この香りも。この手触りも。それが一番・・・」
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