今日は、久しぶりに実家に帰った。
子供たちも、久しぶりにあたしの弟と会うから、楽しみにしてて。
ゆっくり、まったりしてた。
あいつは、昔からの友達と飲んでいるとメールが来た。
本当は、いっしょにって誘われてたんだけど、やっぱり怖くてためらって。
何を言われるのかなぁ。とか思って。
あいつは、その友達に全部今日話す、なんていってたから、反応とか凄く知りたい反面、怖くて聞くことさえ出来なくて、メールでは友達の話には触れないようにしてた。
実家で母親にあげるビーズを作ってたら、電話が来た。
「何してました?」
「ビーズやってた」
「またぁ?」
「うん、母親に指輪作ってって言われたから」
「そかー」
「酔ってるの?」
「ちょっとね。明日は七夕だねー、晴れるといいねぇ」
「そうだね。星見に行くんだっけ?」
「うん、行きましょうね。晴れてたら、星」
何気ない会話で終わるかな、と思ってたら。
「あのね。友達に話しましたよー」
「・・・なんだって?」
「聞きたい?」
「聞きたいけど、怖いかなぁ」
「じゃ、明日話す。あとね、就職の話してた」
「ああ、就職ね」
「なんかねー、いろいろ聞いてたよ。どんな職種が給料がいいとか、最初はいいけど後後上がらないとか。でね、やっぱり、あとあと昇給するところとかじゃないとね、貯めなきゃいけないし」
「貯金?」
「うん、だって、子供たち3人分高校とか大学とか行かせなきゃいけないじゃん?」
あたしは、思わず、大笑いした。
だって、大学生の自分が、子供を、しかも他人の子供の大学の事まで考えて。
悲しいような気持ちにもなってた。
「笑うところじゃないでしょ」
明らかにムカッとしたようす。
「ごめん、でも、うん。あたしは、いいよーっていったじゃん」
「は?りりかさんが大学行くの?違うじゃん。子供たちじゃん。ライラ(長男)たちが大学行くんだから、そのためなんだから。りりかさんがよくても、俺がだめなの」
「そうだけど。平気平気」
「平気じゃないの!!他の家の子供以上に、いい暮らしさせてやる!りりかさんも、専業主婦になって、俺のために家事してくれて。優雅にビーズでも作らせてやる!」
ばかだなぁ。
何をそんなにむきになって。
でも、分かった事があった。
今、あいつが頑張っていられる素が、あたしたち、あたしと子供たち。
あたしと子供たちを・・・って言う考えで、頑張っていられる。
きっと、あたしと別れたら、あいつは、壊れるんだろうなぁ。
放心して、何もしたくなくなって。
今まで頑張ってきたこと、意味ないって、自暴自棄になってしまうんだろうなぁ。
理由がどうであれ、頑張っている、頑張ろうとしている事はいい事なんじゃないの?
あとあと。
あたしと別れたとしても、頑張って就職して、頑張って働いた結果は報われる。
「都内でね。給料がそこそこいいところ、とか考えてる。で、今日あった友達が大手なんだけど。勤め先。紹介じゃないけど、会社訪問見たいのもさせてもらう事にした」
「そう・・・」
あいつは、ぼんぼん育ちで。
誰かに頭下げて、誰かにお願いして、就職する、なんて事、全く考えてなかっただろうに。
友達にお願いして、コネ使ってまで。とか考えているあいつは。
悲しいくらいに、一生懸命だ。
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