march forward.
りりかの独り言。

2002年07月06日(土) ありがとう

今日は、久しぶりに実家に帰った。

子供たちも、久しぶりにあたしの弟と会うから、楽しみにしてて。

ゆっくり、まったりしてた。



あいつは、昔からの友達と飲んでいるとメールが来た。

本当は、いっしょにって誘われてたんだけど、やっぱり怖くてためらって。

何を言われるのかなぁ。とか思って。

あいつは、その友達に全部今日話す、なんていってたから、反応とか凄く知りたい反面、怖くて聞くことさえ出来なくて、メールでは友達の話には触れないようにしてた。



実家で母親にあげるビーズを作ってたら、電話が来た。



「何してました?」

「ビーズやってた」

「またぁ?」

「うん、母親に指輪作ってって言われたから」

「そかー」

「酔ってるの?」

「ちょっとね。明日は七夕だねー、晴れるといいねぇ」

「そうだね。星見に行くんだっけ?」

「うん、行きましょうね。晴れてたら、星」


何気ない会話で終わるかな、と思ってたら。


「あのね。友達に話しましたよー」

「・・・なんだって?」

「聞きたい?」

「聞きたいけど、怖いかなぁ」

「じゃ、明日話す。あとね、就職の話してた」

「ああ、就職ね」

「なんかねー、いろいろ聞いてたよ。どんな職種が給料がいいとか、最初はいいけど後後上がらないとか。でね、やっぱり、あとあと昇給するところとかじゃないとね、貯めなきゃいけないし」

「貯金?」

「うん、だって、子供たち3人分高校とか大学とか行かせなきゃいけないじゃん?」


あたしは、思わず、大笑いした。

だって、大学生の自分が、子供を、しかも他人の子供の大学の事まで考えて。

悲しいような気持ちにもなってた。


「笑うところじゃないでしょ」

明らかにムカッとしたようす。

「ごめん、でも、うん。あたしは、いいよーっていったじゃん」

「は?りりかさんが大学行くの?違うじゃん。子供たちじゃん。ライラ(長男)たちが大学行くんだから、そのためなんだから。りりかさんがよくても、俺がだめなの」

「そうだけど。平気平気」

「平気じゃないの!!他の家の子供以上に、いい暮らしさせてやる!りりかさんも、専業主婦になって、俺のために家事してくれて。優雅にビーズでも作らせてやる!」



ばかだなぁ。

何をそんなにむきになって。

でも、分かった事があった。


今、あいつが頑張っていられる素が、あたしたち、あたしと子供たち。

あたしと子供たちを・・・って言う考えで、頑張っていられる。

きっと、あたしと別れたら、あいつは、壊れるんだろうなぁ。

放心して、何もしたくなくなって。

今まで頑張ってきたこと、意味ないって、自暴自棄になってしまうんだろうなぁ。


理由がどうであれ、頑張っている、頑張ろうとしている事はいい事なんじゃないの?

あとあと。

あたしと別れたとしても、頑張って就職して、頑張って働いた結果は報われる。



「都内でね。給料がそこそこいいところ、とか考えてる。で、今日あった友達が大手なんだけど。勤め先。紹介じゃないけど、会社訪問見たいのもさせてもらう事にした」

「そう・・・」


あいつは、ぼんぼん育ちで。

誰かに頭下げて、誰かにお願いして、就職する、なんて事、全く考えてなかっただろうに。

友達にお願いして、コネ使ってまで。とか考えているあいつは。

悲しいくらいに、一生懸命だ。





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素直に、出た。

この一生懸命さは、あたしのため。子供のため。



「お礼なんか、言わないでください・・・俺がしたくてしているのに。俺のためなんだから」

「でも、ありがとう、だよ」


ちょっと、沈黙があって。


「愛してます」

「うん」

「言って。りりかさんも」

「言えない・・・恥ずかしいー」

「恥ずかしいじゃないの。言うの!」

「言えないって!」

「じゃ、明日、りりかさんからぎゅーしてちゅーしてから言ってね」

「・・・分かった」






あたしは、あいつに、何をして上げられるんだろう。

これだけ、頑張ってくれてて、精神的に支えてくれてて。

ものすごい量の愛情をくれるこいつに。

あたしは、何をして上げられるのかな。



何もないかもしれない。

何もないと思う。



きっと、それでも、あいつはいいんだと思う。

「りりかさんが傍にいてくれるって言うことだけでいいんです」

なんていうんだと思う。




ありがとうだよ、やっぱ。

こんな、面倒な女引き受けて。

頑張ってくれて。




それと。



ごめんね。



だよ。やっぱ。


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りりか [MAIL]

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