だんな様が泣きながら謝って。
あたしは、何の感情もわいてこないくて、無表情のまま、だんな様を見つめて。
お互いにまだ若い。
新しい道を進もうと決めた。
あの日から二日。
あたしは普通に仕事から帰ってきたら家事をしているし。
だんな様も普通にテレビ見てお風呂に入ってあたしの作った食事を食べる。
あの日が夢だったのか?
そんな錯覚を覚えるくらいに、普通の、普通すぎる生活。
ただ、あたしに気を使ってくるのは分かる。
いつもなら絶対にやらない、ガスレンジの掃除をせっせとしたり、猫のトイレを片したり。
食器を洗浄機に掛けてくれたり。
怖くなる。
このまま、まただらだら進んで。
結局あの話し合いはなかった事になって。
また同じ生活に戻るのが。
何が一番怖いかって言うのは。
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