march forward.
りりかの独り言。

2002年06月15日(土) 困らせたくない

あたしの仕事が23時に終わり、それから待ち合わせして、約束どおりドライブへ行った。

「余り時間がないから遠くまで行けなくて残念ですけど」

「いいよー。近場でも」

「今度、横浜のワールドカップのイルミネーション見に、今月中に行きましょうよ」

「うん。行きたい」




2時間くらいだけだけど。

いっぱい話した。



もちろん、昨日の話も出た。

喧嘩はしたくないね。

でも、お互い思った事は言わなきゃ分からないもんね。


たわいのない話も、いっぱいした。


楽しかった。


あたしは、あまりに嬉しくて、楽しくて、にやにやしちゃったり。

幸せだなぁって思った。



あいつとつきあってそろそろ5ヶ月。

だんな様とつきあって5ヶ月のときの事、思い出して見た。

ちょうど、妊娠が発覚した時期と重なる。

あたしが、だんな様を好きで好きで、仕方なかったころ。

だんな様が変わり始めていたころ。

いろいろな、事があったころ。



ちょっとだけ、あいつの部屋に寄って帰る事にした。

いつもどおり、いちゃいちゃしたりして、余り喧嘩しないようにしたいね。

なんて、話をして。



さー、帰ろうかなって時。


いつもみたいに、別れのぎゅーをする。


ぎゅーして、あたしが離れようとすると、いつもだったら手を緩めるのに、今日は緩めてくれない。

「どうしたの?」


「帰らないで・・・・」



・・・・・・・・・。

そんなの、あたしだって、帰りたくないし、一緒にこうしてずっといたいけど・・・。

無理だよ・・

でも、いつもは絶対にそんな事言わないのに。

珍しい・・・と思った。

あたしが黙ってたら、



「なーんていったらどうする?」


笑いながら、ぎゅーした手を緩めて、聞いて来た。



「そーんなこと言われても帰っちゃいます!」


「あはは。ですよねー」


あたしは、またぎゅーって抱きしめて。


「ごめんね。帰りたくないんだけどね・・・」




「なんか、泣きそうになっちゃいます・・・ごめんなさい、困らせるような事言っちゃって。俺、りりかさんのこと、絶対に困らせたくないのに。ごめんね・・・」


あたし、困った顔してたんだなぁ。

って、ふと思った。

悲しい顔じゃなくて、困った顔・・・か。

したかもな・・・・




手をつないで、あたしの車のところまで行った。(いつもどおりなんだけど)

「しばらく会えなくなるね」

「はい・・・でも、メールします。時間があいたら、会いに来てください」

あたしはちょっと考えて

「じゃー、18日の火曜日!あたし、17時まで仕事だから、その後!!」

あいつが今度は困った顔して

「18日は・・・無理なんですよ・・・分かってください。何もないから・・・信用してください・・・」

「あはは。困ってる困ってる」

「・・・。本当に何もないから。ね。メールするし」

「いえいえ。お気使いなく」





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「絶対に大丈夫だから。困らせるのも、悲しませるのも、もう絶対にしたくないから」


「うん・・・うん。分かったよ」



あいつに「帰らないで」と言われて、困る。

あたしは、困る。

それは、どうして?

帰らなきゃいけないのに、そんなわがまま言わないで。無理言わないで。

そう言う風に思うから。


胸の奥が締め付けられる。

心臓が上に上がってくるみたいな感覚。



一緒に時間を気にせずにいたい。


いつまでも。


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