この時間の速さには抗えそうもない。とっておきの魔力で何か、現実を超えたスケールで白昼夢を見ては、のたうつ毒蛇の立てる牙にも似た反乱を思い描いてきたけれど、どうしようもない。心を失って、脳波は日増しに正常に近づく。乱れた心拍も元に戻る。すべては元の鞘に収まって、私はとてつもなくまっとうな住人になってしまう。ああ、想像もしていなかった。まっとうさ、その、強固な固定。ああ、白昼夢は相変わらず終わらないけれど、もはやそれは誰にも効果を及ぼせぬ本当の夢と化す。太陽が美しい。しらじらしく、手ごわい現実。そしてなんと安定していることか。 |