自分だけを信じろ、信じられるのは自分だけだ、なんてセリフを銃器のように手にして難局を切り抜けてみたいものだ。普通のテンションでは無理だ。運命の双子のように、戦いと孤独は常に共にあり、その逆の、平和と連帯も共にある。鮮烈な孤独は戦いの現場でこそ冴えて、光さえ帯びる。だが萎え切った、井戸端会議で馴れ合い、空気を読み合うだけの場所では、「自分だけを信じる」ことはなぜかひどく難しい。これが勘を鈍らし、人の眼から鋭気を奪う。腑抜けになった瞳から見える世界はどんな感じだろう。さあ、答えてくれ。ああ、答えよう。いっそ深夜まで不夜城の戦場になれば良い。そうなればなるほど、身の回りが死屍累々で、怒号と泣き声が聞こえてくるまでになればなるほど、俺は何だか自分を取り戻せそうな予感がする。
なあ、どんな感じだい。ああ。悪くはないかもしれない。
自分だけを信じろ。ああ。その気になってきた。 |