銀色の未来の世界が目に浮かぶ。それを現世に呼び寄せることが出来なくて苦労している。確かに見えている。理性ではなく魔性に魅入られた箇所が盛んに呼び寄せる現実にはない世界が見える。視神経を奪ってそれに見入る脳の耽溺を止める気はない。世界が閉じていく。外部は意味を持たなくなる。 守りに入ったこの身は殻に覆われ、感性は内向きになる。外でたとえ暴虐の嵐が吹き荒れようとも知ったことではない。瞳の内側では恐るべき未来の世界が見えているのだ。数万年後の、重金属と配線とゆらぎだけが蠢き続ける、高密度で無機質な世界が。 二つに割かれた世界はいまだに統合を見ない。こちらの現世へ私の内側を呼び覚ますにはどうすればいいのか。召喚というやつ。どうすればいいのか。。いまだに策は不明だ。惜しいねえ。せっかくの金属だ。資源は重要だから捨てたくはない。何より、私の最も落ち着ける、生きている世界だ。 |
writer*マー | |
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