一体どこを彷徨っていたのか? 十年前におれは誓った。この世から呼ばれるのだ・・・俺こそがこの世に呼ばれ、祝福を受けるのだと。その誓いは時の流れが渦巻く闇の中に疾風とともに切り刻まれて吸い込まれた。炎のように煌めいて噴き上がる力を閉じ込めて作った何かしらかの誓いはどこに吸い込まれていったのだろう。代わりに次々に想いよりも早く現実というやつが流れ込んでくるようになった。この加速度は驚いたもので、おれが「こうしよう」「ああしよう」と思うのと同時かそれよりもやや早く既に、来ているのだ。誓いを述べる頃にはもう終っている。時間の主観と客観が逆転し、おれはわけのわからない波の中に両足を突っ込んでいる。誓いとやらはどこに・・・ |