03.05.27(tue) yu-kidrug729
死んだらええねん。 真っ黒な影が、キャタピラをいわせて、迫って来る。影の気配は鉄の塊となり、俺を打ちのめし、潰す。死んだらええねん。鋼鉄の足回り、ベルトに肉が巻き取られ、俺は骨を砕かれる。死んだらええねん。皮膚が沢山千切れて人参の皮のようになる。
全ての未来が閉塞している。
俺は深夜の世界に目を見開いて、そして、テレビをつけたり消したりする。主電源を何度も押す。ブラウン管に一気に広がる電力。画像素子は白と灰色の光を放つ。助けてくれ。助けてくれ。ゑリ子、ゑリ子ー。死んだらよくないよ。ゑリ子ー。
俺は冷蔵庫に抱きついた。 未来が絶望を訴えている。
そんな気がしてならないんだ。ゑリ子ー。おうい。俺は闇夜の遭難者だ。『大袈裟な』。そう笑ってくれ。・・・うががあああああ(きち外)。ダメだ。もうダメなんだ、笑われたら俺は繰るってしまうよ。ゑリ子ーー。助けてくれー。ェーー。レスキューミー。
レスキューしてくれよ。俺をレスキューだ。プリーズ。プリーーズ。ゑリ子ー。うわあーん。あーん。ひー。ダー。バブー。くかあ。
誰が俺を愛してくれると言うんだ。
夜中の3時半に、誰が俺の味方をしてくれるんだ。このまま憔悴してしまえば、未来の孫が迷惑してドラえもんとか送ってきそうだ。やめろ。やめろ馬鹿。やめるんだ、放っておいてくれ俺の孫よ。放っておいてくれ。なあ放っておいてくれ、俺の末裔よ。俺の遺伝の結末よ。もうあかん。死んだらええねんくそっ。。死んだらええねん畜生。死んだらええねん。畜生。
俺にドラえもんがやって来たら、俺は・・・独りでも上手く米を研げる機械が欲しい。
俺は米を、洗ったり炊いたりするのが、苦手なんだ。 苦手と言うより、ダメなんだ。根本的にダメダメなんだ。 あの電子ボタンの『保温』や『炊飯(再加熱)』が怖くて、怖くて。 何がどうなるか解らないし、 それを知ろうとも思えないんだ。
救いようが無いんだ。
そういった一つ一つのことが、人並みに出来ないから未来が怖いんだ。
洗濯機の扱い方も難しい。あれは大変なんだ。ダイヤルを回すと、ドラムが回転し始めたりする。迂闊にいじると水も入れていないのに、ゴンゴン回ったりする。
必死でコンセントを抜いたりした。余計な水を入れた。泣いて錯乱しながら蛇口を叩いた。泣きながら洗面器で水を汲み出した。もういやだ。もういやなんだ。そんなことをしているから俺は未来に絶望しているんだ。ゑリ子ー。俺はダメなんだ。
ゑリ子、俺は最悪で最低で・・・不憫だ。
お前が俺のをハメて、好い声で鳴いていた時に。 お前はきっと愛情とか幸せについて感じていただろう。
なのに俺は阿呆な電波を脳に食らったマウスのように、 米の研ぎ方や洗濯機のつまみについて考えていた。
此の世に真っ当に生きられない奴は、死んでしまえ。死んだらええねん。心無き天使が、暗く静かな世界にダウンロードされる。それは俺のやばい部分に、ぴったりとハマる。俺はカレーを食いながら大笑いする。カレー。カレーおいしいで。うまいぞー。わはは。
アホか空元気じゃボケ(きち概)!!!! 虚空が暗く撓んでいる。ゑリ子、俺を抱いてくれ。生理だとか言うな。汚れてもいいから俺を抱け。
ゑリ子ー。タンポンえぐいよう。ぐはあ(きちく)。もうあかん。
エイフェックス・ツインが戦車を自家用車にしているのは本当か?
迫り来る破壊的な気配。キャタピラの音がする。自我を揺るがす震動は戦車だ。Eぐちさん、アキTくん、戦車を買いましょう。戦車を買いましょうよ。やられる前にやるんだ。それに轢かれる前に、それを駆るんだ。ヘイ、主砲!!街も自我もガンガンブッ壊せ。壊して壊して、それを収集し、繋いではエッジを合わせ、音と音の暴撃、死んだらええねん、人類皆不埒、、死んだらええねん、ちんこばんざい、死んだらええねん、戦車を駆り立てろ。ウァオー。
此の世をガッタガタにして、バキバキに噛み砕いて、その渦中を収録する。俺達の街を破壊。俺達の経歴を破壊。俺達の寝床を破壊。俺達の自我も破壊。
ォォおお味噌おお味噌おお味噌おオオォォオ!!!!! 主砲の照準は心の冷戦部分だ。無差別に焼き尽くせ。ファックオフ。
最新、異端の音源を収集せよ。 暴的な音を手に入れたら、繋いで、あわせて、被せて、角・突き合わす。
ピッチフェーダーが音の軌道を添わせてゆく。音の衝突は戦車の破壊音を、新たな世界の幕開けへと導く。
俺達の自我は、ガレキと砲弾の絶叫へ、誘われる。
心無き天使の気配がする。 キャタピラの震動が聞こえてくる。
俺は、ディーゼルエンジンの咆哮と共に叫ぶ。俺は、砲弾の噴撃に内臓を震わせる。アブストラクト・ビーツ。Eぐちさん、アキT君、戦車買いましょう。戦車買わなあきません、ダメですか? あー。ダメですか。あー。ダメ、あー。ダメですか。
ノイズを舐めるな! 音響を舐めるな! エゴイストの自我を舐めるな!舐めてる奴は死んだらええねん いやもう、ブッ殺してやる!! アチョー! 手裏剣投げてやるから死んだらええねん。もうほんまに。好い加減にしろ! こっちは必死なんじゃ! 死んだらええねん、ボケ! アホ! ちんこ(言い過ぎ)! 味噌。
そこのお前、そこのお前も、お前もお前もお前も、そこの犯罪者未満みたいなお前も、そこの民間人のようなお前も、そこの変態のお前も。俺の発狂を肯定しろ! 俺の全てを肯定しろ! ァアアアアアアッァァァアアアッッッッ!!!!! 味噌味噌醤油、しお しお 味醂ッッ!!!
慈悲など・・・俺はただ、ゆっくり眠りたいだけだ。 解ってくれ。畜生。 キャタピラをいわして戦車が迫る。 心無き天使の気配がする。
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