ノイズはただの雑音ではない。私が物心ついた時には、南極の空に巨大なオゾンホールが空いていた。私は一人でメルツバウを聴き、荒くざわめく心を、ギザギザと掻き立てては慰めた。 エレクトロニカの驚異と真実。地球温暖化の痛みが、この胸に沁みる。ああ。いやっ。ううん。いや俺は真剣に苦しんでるので。そこ、君も悶えなさい。ううっ。はぁっ。っあっ。苦しいよガイア。何なんだよ複雑系って。畜生ガイア。汚染してやる。うそだ。やらないよ。ガイア。地球を愛するのは困難だ。実感できない。どこに地球があるのか。自分がどこに存在し、生きているのか。それを実感できない。真に意味あるものは何処にある?ちんどん屋の後腐れ。人生皆不埒。地球を守ろう。石油を使わずに核ばっかり頼ろうよ。臨界事故を恐れるな。ウオー。東海村に続け、世界各国。・・・話を戻そう。日増しに文章が難解になるので、実際俺も疲れる。はぁ。ひたち。ひたち。インスパイア・ザ・ネクスト。頑張れ俺。新しい時感覚への目覚めはノイズの衝突や勃発から始まる。ノイズ、それは分類不能な奇跡だ。 空き缶を足で グシャと踏み潰す時と、ブロックを落としてゴシャと押し潰す時とで、当然その音や響きは異なる。グシャや、ゴシャを、繰り返しては、最もピン、と来る瞬間を探していた。無限の中に、確実な有限が在る。私はそれを確信した。その割に投げ遣りで、よろしくないと思う。頑張れ俺。まだいけるぞ。全てがカチッとハマる瞬間、その刹那へ向けて。毎日毎日、同じような角度で太陽が落ちてゆく。夕焼けに照り映えるアルミ缶は、次々にいびつに凹み、太陽光が乱反射を続ける。 いびつ、それこそが全てだ。予定調和を超えろ。予期されたシステムの45度斜め向うを狙え。そして、軽やかに逸脱せよ。私は小学校のプールに、ウンコ入りのオバサンカバンを投げ込んだ。それは沈殿した。白く丸い固形塩素よ、それを何とかするがいい。ウオー。エンソー。レディオヘッドも、ベックも、ビョークも、私の鼓膜を何の抵抗も無いままに通過した。 黒いものが欲しい。一人で病院に行くのが普通になる歳の頃から、何かが大きく変わり始める。再骨格、臨界目的地、歪曲射精、ハンダ検定準2級。イオン。虚脱。ゴー。ゴゴー。黒い処女。ゴゴゴォオオオオ。破壊的な気配。防衛と虚脱の感じ。 私は思考が停止する。ああ。夕焼けを見ながら虚脱。明日を待ち望みながら床の間で虚脱。風呂場の隅でいつまでも虚脱。人生の至る所で大切なものを放り出したまま虚脱。アミノサプリ飲んどけ。 私が暗黒系処女を求めるのには理由がある。清冽にして、強靭。無限にして、 恐るべき限界。黒くしなやかなカオスの縁が、美しい黒髪のようにしなりながら、音にならないほど小さな摩擦熱で、世界を擦りゆく。今この瞬間にも私は、己の言葉と、遠い記憶との衝突事故を待ち望んでいる。新しいノイズがまた生まれる。私はそれを言葉で繋ぎ、世界の稜線を描く。量子論が崩れ、新しい次元が生まれる。暗黒系処女。実験に次ぐ実験。そして攻撃と回復。渇望、傑作、明日の天候、神秘の再構築。それらが無理なく、私達の身に対し、等身大の音量で現れる。イナフ・グレイト・トゥ・キープ・リビング。 未だ見ぬ、ありえない瞬間との、衝突事故を、私は望んでいる。日本はたった今現在、改革に取り組んでいる真っ最中だと言うけれど、それは何処で、どのようにして、可視されるのか、私には解らない。ドリルの音が聴きたい。アルファロメオの光沢を見たい。疾走するうちに微細な砂粒で傷付く。 また新しい音が生まれる。それは聞こえない。譜面付きの音楽とは訳が違い、決して定型的可聴のために作られたものではない。初めての恋愛感情と同じ。突発的な衝突事故として、ノイズは私達に現れるのだ。だが収録は可能だ。その出逢いをハッカーのように、そして恋人のように、私達は待ち望む。アンダーグラウンドが口を閉ざす。私はこの皮膚という皮膚に、処女膜を感じることがある。何処にも明確には所属しないが故の、葛藤と無知。曖昧な自我は処女膜を形成する。ノイズはイドラにもエスにも関係無く、ありきたりな日常で不意に、毎日を織り成している時間感覚そのものに、突き刺さり、新しい記憶を現像する。 |
writer*マー | |
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