帰ってきた姉は、死んだような姉だった。 薬が効きすぎると言っていた。 急に倒れたりした。
嫌だった、怖かった、見たくなかった。
それでも姉は、そこにいる。
姉を避けながら過ごす毎日。 姉はだんだんといつもの姉に戻る毎日。 いつもの姉になって、私にも普通に話し掛けてくるようになった毎日。
でも。 いつも通りの明るい姉になったって、だからって私は姉を受け入れるなんて無理。 またバイトを始めて頑張っている姉を見たって、だからって私は姉に心を開くなんて無理。
だって私は知ってるから。 別人のようになった姉を知ってるから。 繰り返し繰り返し繰り返し。 普通になったってまた繰り返す姉を知っているから。 怖い。
私の感情は恐怖ばかりだ。 怖くて怖くて怖くて怖くて。 そればっかりだ。
私は姉が怖い。 今、いつも通りの明るい姉だからって、病気の時の別人のような姉を覚えている限り、 きっと私の姉への恐怖は拭い切れない。
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