告白。ただ、どうしようもない、告白。

2003年01月26日(日)

兄は中学3年の頃は殆ど学校へ行っていなかったんじゃないかな。
ずっと、家にいた。

中学を卒業しても、ずっと家にいた。
高校には行っていない。バイトもしていない。今もずっと働いていない。
中学卒業から、ずっと。

でも、外には出るから引きこもりって訳じゃないと思うんだけど。

こういう状態の兄を、祖父はもう諦めたという。
「あいつはもう死んだものやと思う」と言っていた。
兄が中学卒業したての頃は、何かと兄に対して行動を起こしていたけれど、今はもうその言葉通りに何もしない。

ただ、年に1回、今でもお年玉を母に託して渡してくれるけれど。

…祖父は心配なんだろう。
本当は、心配なんだろう。
本当に、心配なんだろう。

何だかしみじみ思う。
うちの家系は不器用なんだろうな…。


兄が中学の頃に登校拒否をしていた理由を私は知らない。
兄は自分の事を一切話さないから。それは今も変わらない。
私と兄は今、きっとすごく仲が良く見えるだろう。
私は兄が大好きだし、一緒に出掛けたりもする。
でも、心の内を私たちはお互いに曝け出した事は一度もない。
兄にも確かにあるであろう葛藤を、私は知らない。
私が今ここでしている葛藤の告白を、兄は知らない。

それでも私たちは仲が良い。
冗談を言い合える、同じ事を同じ風に笑い合えるくらい、仲が良い。


…でも。
一つ、朧げな記憶がある。
兄が中学生の頃、私が小学生の頃、場所は居間で。

貴方は母に全身を使って締め付けるプロレス技みたいなものを掛けてなかった?
苦しそうな母の顔と、へらへらしたような兄の顔。
母を放せと叫び続ける私。

本当に朧げな、不確かな記憶なんだけれど、もしかしたらただの夢を事実として記憶しているだけなのかも知れないけれど、今もこの光景は私の中に刻み込まれています。
私はこの朧げな記憶を確かめるべきなのかな。
もし確かめたとして、私はどうしたいんだろう。
もし本当だとしたら私は兄になんと言いたいんだろう。

……分からない。




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深海 [MAIL]

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