遺書

2005年02月22日(火) 桃太郎

君が疼くたびに僕はタバコを足に押し付けて
君が泣くたびに僕は君を何度も何度も蹴りつけて
君が外を羨ましそうに見れば僕は笑って
…そう、君に自由はないよ
と、聞こえるように言った


僕は時々君にご飯を上げた
イヌの肉だったり、キジの肉だったり、はたまた桃の缶詰だったり。
それに少量の死なない程度の薬をいれて、ね

君はそれを知らないから何故自分が食事を取らないとイライラするかもわからない。
ただ、なんとなくわかっているから食べるしかないんだ。と
…君に、権利もない


日々小さくなる君を見て僕は哂った。
「逆行さ、君は逆行するのさ。君が望んだ通りだろう?
 もう一度人生をやり直させてやるよ、ほら、これが最後のお遊びだ。
 次はいい人生を歩めるようにと願うことだな。」

そう言うと僕は、少し変わった防水の箱に君を押し詰めて川に流した
「…さようなら、飽きたおもちゃにもう興味はないのさ。」


*あとがき
昔々遠い未来、新薬MMTR-2020を開発したサーティさんは
「都合よく若返りたーい、もう一度人生やり直したーい。ヽ(`д´)/ 」
そんな人になぞの契約書にサインをさせて拉致監禁!
さぁ、それからが大変。
新薬を少しずつご飯に入れて人体実験をするわ、
仕事のイライラを彼にぶつけるわで、
彼が脱走しようとしたところをとっ捕まえて小さくなっていると確信して
サーティさんは趣味で作った防水加工をしたなぞのカプセルに
彼をつめて川に流してしまいました。

サーティさんは騒ぎが好きでした。
新薬の動物実験で薬の効果が徐々に切れることを知っていました。
川の下流には鬼が居ました。
そこにいれてなぞのカプセルにつけたカメラから観察する…予定でした。

途中で田舎の夫婦に捕まって、おやまぁ、とお家に持って帰られてサーティさんのカプセルがぱっくり!中から被験者が出てしまいました。
そのカプセルが桃に似ていたことから桃太郎という名前をつけて被験者を育てた田舎夫婦。ダサい。

それから2週間モモタローは薬の効果が切れセブンティーン、17歳の夏。
周りの景色を良く見えるようになってやっと思い出しました。
「あの老夫婦は俺の息子じゃね…?」

実は彼こそ真の桃太郎。サーティさんはもう一度人生をやり直したーい。という彼の願望を的確にかなえた天才だったのでした!

モモタロー、2度目の鬼退治。Ki-Zi30.I-nu30.S-Ar-U30を従えて、もう二度とあの悲しみを…と呟きながら鬼が島の地上を3回焼き払う火力で絶滅させました

おしまい


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