遺書

2004年07月21日(水) H:hindrance 障害物

僕がこの世界に居たという証拠は海の底に沈んで、
帰ってこなかった。
僕はこの世界に居たというのに自分の一つさえも、
変えられなかった。

僕の言おうとした言葉も、其処に沈んだままだ。
浮いてくるはずのない其れを、僕は待っていたんだ。
目印も何もないからわからない、場所が何処だか忘れてるのに。

それから暫くして浮いたとき、
僕は思いっきり叫んだ。
忘れられた言葉を、時間と言う障害を越えようとして。
そして、虚しく宙に僕の言葉は音を立てて飛び立った。

汗で濡れた拳を、地面に叩きつけて、
世界に傷をつけた。

しかし、波に掻き消されて傷は消えた。
それに、僕は閉鎖された空間から離脱した。

結局、意味なんてなかったよ。


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