初日 最新 目次 MAIL HOME「馴れていく」


ごっちゃ箱
双葉ふたば
MAIL
HOME「馴れていく」

My追加

2002年03月29日(金)
「イーハトーヴ」

「 早池峰山 遠く雪化粧
  あなたは 出てゆくと決めた
  すぐに君を 迎えに来る
  瞳 輝かせて笑った
  何も言えずに うなづいてた
  
  イーハトーヴ 春風吹いて
  あなたは 傷ついて帰った 」


     さだまさし「イーハトーヴ」 アルバム「逢いみての」収録 から


さだまさし作詞、石川鷹彦作編曲の歌である。

3年程前にわたくしは
渋谷道玄坂のYAMAHAでその石川鷹彦氏に
偶然、お会いしたことがある。
石川氏は鼻の下にひげをはやした、場外馬券売り場などに
実際「よくいそうなおじさん顔」なので
階段からチラっと見たときには「似てるひと」というふうにしか
思わなかったのだが
店員のお嬢さんに「最近はさだまさしとね・・・」と
話し声が聞こえたことから本人であると断定した。

「あのー。石川鷹彦さんでいらっしゃいますよね・・・」
思い切って声をかけると
石川さんは「ああ。はい。そうです。」
とにこやかなお返事。

ラジオでのさだまさし氏の
「えー。石川さん。そんなに大きなお子さんいるんですか?」
という問いに
「小柄だよ」
と狙いすましたように言い捨てた石川さん。
そのときと同じような感じで
気さくに明るく、わたくしと話してくれて
自分もギター弾きですと告げると握手までしてくださった。

そしてわたくしのその感動を
「分かりますよ」という感じで微笑んで見ていらした店員のお嬢さん。
そりゃあそうです。
このひとのギターを聴いてたんです。
このひとのギターを弾いてきたんですから。

イーハトーヴのアルペジオイントロ。
何気なく弾いたりしてると
大概どこでも誰か振り返って言いますよ。
「それいいね」って。

石川さん。






石川鷹彦・・・ギタリスト。
「風」の「22才の別れ」がアレンジデビュー。
巨匠。フォーク界のシーラカンス。フォークギターの巨人、、または阪神。
フォークギターを持つ者なら誰でも知っているはずだったりして
フォークギターを持って歌うミュージシャンなら
大概、関わっているひとである。
が、ラジオ、ライブから見ている限りは、「陽気なおっさん」。





2002年03月30日(土)
早春


あったかくなってからというもの
また肌寒さをおぼえるまでは
夜中、東京某所にわたくしが出没しております。
特に怪しいことをするわけでもなく
ウォークマンつけて
ただただ歩いているだけだけど。

夜、歩いてるのが好き。
夜って空気が粒粒だし。
空間、みたいなものを歩ける。
ひとが少ないし、暗くて少しだけこわい。
砧公園まで行ってひとやすみ。
横になって目を閉じてたら
男のひとが近づいてきて、顔をのぞきこんで去っていった。
死んでると思われたんかな。

けれど下を向いて歩いていることが多い。
一度知り合いとすれ違ったことがあって
「おまえ、ずっと下向いてたぞ」って不思議がられた。
(止まった)車にぶつかること幾数回。
落ちてるものばかり目にはいります。

あ、チャック開いてた。。。







2002年03月31日(日)
23歳


自分も死ぬってことを考えたのが
7歳のときで
母親になぐさめられながらも
必死に考えないように

あれは違う場所に
取り残される関係の無い怖さ

ビルから落ちたり
車にはねられても何となく平気なような
あいまいさを打ち消されたのが
十二才のときで
手首を強く握られた
赤くなった跡を見てた

その跡は消えてしまったのではなく
腕にあるのに馴れてしまったか
いまはまるで関係の無い場所にいるかのようで
居酒屋のトイレに突っ伏して
吐いている23歳





2002年04月01日(月)
みんな、かわいらしく


ひとの気持ちが分かる時もある。
が、殆どは分からない。
分かったと思ってても、それはとても表面的なことだけだったり。

みんな、自分のことをどう思っていますかね。
どんなことに心苦しさをもちますかね。
自分のことを頭いいって思う?
自分のことをスケベだって思う?
他のひとと比べてみて、どう思う。
比べられることは多いでしょ。

これ以上なく親密なひとといても
やっぱりそのひとではないから

僕はすごく傲慢で
そんでもって臆病だなー。



2002年04月03日(水)
アマガエル


おじいちゃんに
パチンコ屋へ連れて行ってもらった。
おじいちゃんが
まだ生きてて、元気に歩きまわれた頃だから
わたしがまだ小学生の頃。

確か1000円、最初にもらって
遊んでおいでと言われたんだ。

周りは知らない大人たちで混んでて、席がなかったから
おじいちゃんとは離れた台に座って「パチンコ」というものをした。

いま考えると変な絵だな。
大人たちのタバコに挟まれて
小学生が、よく分かりもしないのに
ひとりでシャキシャキやってるんだもの。

でも楽しかった。
なんだかピカピカ光るのと時々、ザラザラって銀球が転がって出てくるのが。
けれど1000円なんてお金、パチンコでは
すぐなくなってしまう。
「あ〜あ、終わっちゃった」
「でも、いいや。またもらえばいいんだから」
「おじいちゃんはボクを可愛がってるし。きっとくれる」

じいちゃんは
わたしが近づいて、けれど何も言い出せずにもじもじしているのに気づくと
こちらを見ずに
「金が、ほしいか」とだけ言った。

彼は特に他意もなく言ったんだろう。
でもドキっした。
ひどく現実的に聞こえたような。
いちばん下の孫で、可愛がられるのが当たり前の
自分のそういうあさましさが見抜かれたような気がして。

わたしはそれで「ううん、もういい。」とだけ言って
じいちゃんの横でピカピカを見ていた。









2002年04月05日(金)
誕生日





ふたば関係者の皆々様方 各位


平成14年、わたくし ふたばは
誕生日を 拒否させていただきます。

ぱす わん。

そのため、わたくしは
来年も23歳とさせていただきますこと
よろしくお願いいたします。

草々。



2002年04月06日(土)
青くっさいことかもしれませんが。



「あけましておめでとう」
「ありがとう」

「は・・・?」
みんなキョトっとした顔をしますね。
ま、いいけど。


以前わたくしは某焼肉屋さんでアルバイトをしていたことがあって。
厨房のなかの主にお皿洗い。
たまにカルビとかタンを並べて、ごまとかふりかけていたけど。
焼肉屋さんの店員の返事は
ご存知の通り「はい、よろこんで!」
おねがいしまーす、とお皿を積まれて「はい、よろこんで!」
オーダーはいってるよー、と呼ばれて「はい、よろこんで!」
金網をブラシでこすりながら「はい、よろこんで!」
声がちいさいぞー!と怒鳴られつつ「はい、よろこんで!」

バイトだしお仕事だし給料もらうためにしてるのだから
そゆのに何か言おうってわけじゃね、決してないんだ。

でも、それから某セブンイレブンのおにーさんになった。
そしたら「ありがとう」と言われてしまった。
レジを打って商品を渡して、ありがとう。
「もっと大きいので、このジュースある?」で、ありがとう。
「トイレどこですか」で、先ほどはありがとうございました。
ちっちゃい子どもにお菓子を手渡して、ありがとう。

うんうん。ありがとうって言ってもらえる仕事っていいな。
いつも店長に叱られてるダメダメな店員だけどさ。

そういえば
自分はお店のひととかに、「ありがとう」ってあんまり
言ったことなかった。

ファミレスのひとに
おなじくコンビニのひとに
宅配のひとに
駅員さんに
お医者さんにばっかりじゃなくて
「どーも」じゃなくて「ありがとー」。

キャンペーンでもはじめますかい?