OH GREAT RABI RABI

ボクハトベルッテ
2003年04月28日(月)





ぼくはとべるって


とべるって


とべるって


とべるって


とべるって


るって って


っ て












て 、






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のこされた ちいさな て は


しわをつけずに かみをにぎりつぶそうとするようにまるめられ



そのとき ぼくは


くしゃり というおとをきいた。





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ひどく場違いなバースデイ・ケーキの


縁のクリームだけを食べつくして


ケーキをその場に融和させたのは


わたしのおじいさんの英雄譚。





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さびしいなんていってはいけない、


くしゃみをしてはいけない、


たいくつだからってようふくかけにぶらさがってはいけない、


どしゃぶりをわすれてはいけない、


こどもべやのかべにうちゅうをよんではいけない、






ピエロが来るよ。









彼女はいとおしげに光合成した
2003年04月17日(木)






こころのかべをこわそうとしたら


あのこ


さいぼうにかべをつくって


しょくぶつになってしまった








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ドリーム 、




不在する、 イ の存在。





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ぼくは昔、 リ の発音が苦手だった。


リリー、という発音がどうしても出来なくて


リギー、リギー、 と言っていた。


左の奥歯で発音していたせいだった。



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犬の眼に塗ったマニキュアがどうしても剥がれない




二度塗りなんてするんじゃなかった






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ヒューズ 、



ウ の不在、




チーター、



双子の イ の不在。




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霧吹きを買ってきた



あの娘に水をやるために



けれどもあの娘はもう



夕立と契約して



雨を手に入れてしまったんだ





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ケープ。




不在する、幻の エ 。







絵のなかで 娘は蔦を伸ばしてゆく、


その先端は奇蹟のようなものへ触れようとしている





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ねえ リギー、




わたしは一晩で百合の花束を枯らしてしまったよ。














広大なアンブレラ・パラシュート
2003年04月16日(水)




ぼくは溶解する







と 決める。






ひだまりに触れると、






ぼくは溶解する。






さあ、外へ出よう。







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サンダルは揃えておいてあったのに、


どうも履き心地が悪かったのは


ぼくの足が左右入れ替わっていたせいだった。


夜中にこそこそ入れ替わっているのは知っていたが、


昨夜は元の位置に戻るのを忘れてしまったらしい。


最近は腕までやたらと真似したがって、


いつのまにか入れ替わっていることがある。


おかげで恋人と指きりしたつもりが


いっしょうけんめい指相撲をしていた。







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きみのすかーと、



ぱらしゅーとになって



ぼくを地上に運んでくれ!






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犬の鼻だけが唯一の水分だった。





渇望の沙漠、


わたしは犬の鼻に頬を寄せて


目をつむる。


しっとりとした闇、


わたしはくにのことをおもう。










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きみの水色のすかーと、



かさになれ!




どしゃぶりの日の、



ぼくの、きわめて個人的な青空。







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溶解したぼくをかきあつめて




(少しくらい別のがまじったっていい)




びんに詰めて はちみつ代わりに使ってください。




ただしお皿を綺麗になめないと




海が汚染されるか




もったいないおばけが出ます。(もしくはぼくの復活)









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ヘリコプターの日
2003年04月15日(火)


敷居に吊られた生乾きの作業服がいっせいに踊りだす、



ぼくは工場へ戻らなくてはならない。






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チューイン・ガムの化石を見つけた、と


興奮して走ってきたヤスユキくんに


ノブヒコくんは


「それ、ぼくの父さんの骨だよ」


と冷たく言った。







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手首を回転させて


ヘリコプターを発明しよう。


今日は、地上から離れるのにもってこいの日だ。






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大きく振った、バットの内部に



水色の女性が見えたのは錯覚だろうか?






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同じかたちをした工場が一帯に並んでいて



ぼくはしばらく見まわしていたのだが、やがて



どの煙突から入っても同じ部屋にたどりつくことを思いだし



ぼくはいちばん近くの手すりにとびついた。






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(ここでものすごい夢を見たための空白)





(なんてとろけそうで、くどくどとした夢だったのだろう!)




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水色の女性がこちらを見て必死で口を動かしている。


大きく目を見開いている。


けれどもわたしは彼女を錯覚と認めてしまったのだ。











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ブーメランの大群、来襲
2003年04月14日(月)




かもめ



という発音のどれかに


海が隠れている と聞いて


ぼくは昨夜から かもめ とくりかえし呟いている





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とうめいまにきゅあをはがしたつめは


とうめい をすっかりわすれてしまった





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真夜中に襲ってきたブーメランの大群は、


そのひとつひとつは小さかったせいで


余計に耳障りな羽音をたてて、


わたしは布団をかぶって耐えていた。


明け方頃にブーメランは元来た方向へ帰っていったのだが、


その時にわたしの姉がブーメランに飛び乗って


そのまま群れと一緒に行ってしまった。


彼女が敵国の王子と恋に落ちていたことを


わたしは初めて知った。





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かもめ とくりかえしているうちに


ぼくはどこかで言いまちがえたことに気がついた。


その時、波音が近づいてきた。










モンスーン・カラー
2003年04月13日(日)





きせつふうにあおられたかいぶつは


ちいさなこまのもんすたーにぶんれつして


はげしくまわりはじめた。





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わたしはとろけていったりしないんだけど、


ゆうかいというほうほうはしっていて、


どちらにしてもあなたのからだは


そらよりもやわらかい。





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もうとんだりしないで。



そう言って彼女はどこへも通じないバルコニーへ出た。




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季節風をのみこんだ、


喉は大海へ繋がっている、


宝の地図は幾度もめくれあがって


ぼくたちを招いている。








マアブル
2003年04月12日(土)





はじけだす よ、



わたし。





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織り姫!



輝きなど必要ない、



ただよぞらがせりあがってくる、



わたしは 帳 という音を手でつかむ。





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粘土に目を作らなくちゃ、


彼は棒のようなものを探しに教室を出ていく、


ドアの閉まる音はしない、


いつのまにか参観日がはじまっている、


僕の父はどこへ行ってしまったのだろう?





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なきごえのひとつごとに


ことりがころされてゆくのだよ。


あめがあがる、


こまかいはねがまいちる、


めをとじていてもはだをかすめていく。





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ねえ、




空がとても近い。








そして、つばさ
2003年04月08日(火)







わたしのヘリコプターが飛んでいく。




プロペラ、



その回転に目をまわすニンゲン続出、



わたしは彼等を とても優しいフィールド と呼んだ。






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割れた硝子で


子供たちはモザイクを作りはじめる。


「何を作っているの?」


「ドラゴン・キッドさ、」と子供たちは答える。


「彼にはもうスカイが無いことを証明するのさ」


「スカイは少し前に盗まれてしまった」






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ちきゅうぎのきょくせんにそって



わたしはからだをそらした





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最後に残ったのは二枚貝の殻だった、と彼はうめいた。

殻は帰り際に海に投げた。けれども、


なんてことだ、ぼくは殻のちょうつがいに生えていた羽毛を見逃していたんだよ!









あかされている
2003年04月05日(土)








わたし の てのひら 、











すべて というなのものにむけて。













かなしみのさかさかいだん
2003年04月04日(金)






今日の午後、雨が降りだしたので



僕の犬の両目に透明なマニキュアを塗っていた。






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天井に階段がある、



いちばんうえから電気の紐が二本垂れているのが見える?




それをひっぱれば



どうしてかなしみなのかわかるよ。






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とても大きなバットを振れ!




遠心力で世界を変える!






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今夜は月が出てないのに、


犬は濡れた瞳で僕を見あげる。




やがて、その眼球はひびわれてゆく。









小鳥の共喰い
2003年04月03日(木)





彼女の部屋のベランダからは、

幾度も約束を破った王子のための

無数のロープが垂れさがっている。




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晴れ。



虚しいほどの、晴れ。



まるで世界がここで終わっているような、





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今日もまた、小鳥の共喰いがはじまった。


わたしはどちらの小鳥に味方するべきか、

それぞれの正義や輝きを比較しながら考えた。


その間中、啼きごえは絶えなかったのだが、


気がつくとやわらかな羽根が宙を舞っていて、


わたしは両腕を広げた。




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この世界がここで終わっているとしたら、


わたしは髪を燃やして


夕焼けになろう。









スチュワーデスの記憶
2003年04月02日(水)






ようやく牛乳の呪縛から解かれた子供たちは



迷宮森から脱出するために走りだした。





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はんとうめいになってとけてもいい、


さかなのめだまになってしまってもいい、


あなたのもうまくとわたしのもうまくがかさなるならば。




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教室の後ろに並んだチューイン・ガムの彫刻を見て気がついた、



一つ、


鋭く犬歯の痕が残っている。



このクラスに、犬が混じっている。





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義務とガムって似てるね、と彼は口をもぐもぐやりながら云った。




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僕たちは日々魔法を使いながら生きている、


それがめったに禁断の魔法でないから気がつかないだけのことだ。




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わたしはかつてスチュワーデスだったということを昨日思いだした。


自分の記憶にだまされたのに気づいたのは、今日になってからだった。


おめでとう、エイプリル・フール。







とてもハイカラなペパーミント
2003年04月01日(火)



わたしは奇跡を起こすために

じゅうたんを織ろうと思った。





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かみかけのチューイン・ガムしか与えられなかった者の悲劇、



彫刻に残った歯型の深さがそれを示している、





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地下鉄にはできるだけ遠くまで乗るのが良い。





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ペパーミントにたどりつく前に、



映画ははじまり



じゅうたんは一国を燃やし



わたしは奇跡を起こした。












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