再生するタワゴトver.5
りばいぶ



 いつの間にやら大晦日。。

2019年は1月すぐに懇意の栃木県は足利市で、
プロアマの公演「おい乱」で幕を開け。
そういえば、12月30日まで稽古して、稽古場(劇場)の暖房は効かない極寒の中、人の集まりやらなんやら、ギリギリの、でも、最終的にはとても豊かな公演。(スタッフの疲弊なかなか笑)深夜に東京に帰るような車生活。。
戻ってすぐの、2月頭にダスの「人形の家」、オーソドックスだからこそ、ちゃんと考えて、自分の身体も心も晒さないとできない公演。
そして、ここいらMAXと思った大変さを更に更新した椿組春公演「かくも碧き海
、風のように」はスズナリの規模でしっかり野外的に、でも繊細に力強い公演になり、
並行して沖縄での辺野古題材新作「クテーラン人びと」では、やはり沖縄の客席の温度とゆうか、熱さに出逢い、勇気をもらって、今に意味のある作品が生まれた。。。
椿組は。沖縄は、
「オールライト 」は、惜しまれながらの最後の旅。それでもやることは積み重ねてきたことの先に見えそで、摑めそで掴みきれない何かへの闘いで。諸々大学やら学校などやりながら、6月は可児市alaの導きで青少年と「嬉しい」を作って、
沖縄は再演という名の、新作「島口説」でドップリ沖縄に浸かって東京公演も見据え、
中間発表は、初の女子だけクラスで、
「さくらみたいな恋のこと」をじっくり作って、8月はalaの企画に元発案のリーズプレイハウスからのチームもやってきて、日英合作で池袋と可児で新しく公演。とても観た人も参加者も僕らにも意義深かった。
9月は先人の偉大を感じた飯沢匡の「もう一人のヒト」を紀伊國屋ホールでやりつつ、親八会「父と暮せば」の新面子お目見えがあって、
沖縄戻って「美ら島」を旧友粟野史浩の大きな力添えもあって、この二年間でじつは一番やっている国立劇場おきなわで最終的には皆の苦労を超える公演になって、
初の久高島上陸半日ツアーで戻って11月は、B-boxの生徒さんらと「雪がふる」。
12月は青年劇場「子供の時間」がしっかりと

モノづくり

を確認できる時間だった。
しかし、走りまくった一年だった。
シンプルに稽古場が豊かであることが大事と再確認、影響を受けた大先輩たち(八千草薫さん、中山仁さん諸々)の訃報もありながら…

もっともっと。
自分のやっている事を思う一年。

今年もお世話になりました。
沢山の方々にやはり支えられた一年でもありました。
冷静に見たら、14本以上の初日を迎えていたわけで…
来年はもっともっとよろしくお願いします。

感謝

藤井ごう(なんと幾つか企画が抜けていて、見直し修正しました)

2019年12月31日(火)



 青年劇場「子供の時間」演出の戯言。

演出の戯言
「この世を生き抜くための処方箋」

〜一人の少女の嘘によってとてつもない不幸を背負った女性たちの物語〜
1930年代にリリアン・ヘルマンによって著されたアメリカの戯曲。有名すぎる俳優陣で二度映画化された作品でもある。その帯とゆうか、簡易説明に違和感を持った。
確かにそうだ、でも、そう括ってしまえば済む物語なのだろうか、
ネタバレするので詳しくは触れないが、説明には更に『あることのために潜在的な気持ちに気づき、その苦悩は…』云々とある。どうもそうゆうことだけではないのではないか…
稽古場での喧々諤々が始まった。
誰が始めたことなのか、本当は誰が悪いのか、
怖いのは確かに悪意だ。じゃあ悪意ある犯人がいればいいのか、
でも怖いのは「この場を逃れなければ」とゆう当たり前にある他愛のない気持ちかもしれないし、
本当の意味で怖いのは「良かれと思って」とゆう善意なのかもしれないし。。。
人間を奥深く考察したホンは、
人の業、人の罪、神の存在、人間の本質、を捉える。
さて、問題は普段目を逸らしがちなそうゆうものと、どう現場が向き合えるのかなのだー

俳優のための企画を、と言いながら珍しくこちらの提案からスタートした今回、

白黒つけないと後はない、わかりやすさばかり求められる世の中で、こんな作品と出会えたことは創り手冥利につきる。無限の可能性を持ったホンである。時は違えど、描かれているのは、今の僕らだと思うし、翻訳の小池さんのヘルマンへのこだわりを更なる妙味(新改訂版と言って間違いなし)にし、そして複雑で人間味溢れる登場人物たちと出会えたこと、安易な結末を用意しない作品自体のハードル高はあれど、そこに挑戦できる機会があることは演者にとっても幸せな(?苦しい?)筈である。
気がつくと、噓と誠、虚と実、真実と事実、理想と現実。神との関係とゆう日本人には解しがたい壁。人が生きること。等を追いかけている内に、ふと、この芝居は人間の「信頼」についての物語であったのだと合点がいった。
ダブルキャストの面白みを目一杯利用して、二つの物語を生きる。


秋は雰囲気を脱しようともがき、名菜子は凛として立ち、貴緑は「非安定」癖と大いに向き合って、小泉はよくまあ不安がり、蒔田は地下アイドルのリーダーで、知恵は役の要求に答えるように舌ったらずが憑依し、真衣はノラリクラリやり過ごそうとして、岡本はツインテールを疑い少年で難渋する。ゆかさんは歌わないよう羽ばたき、大嶋さんは水を得てアービングの如き飛翔、武智は力持ちが板につき、武田さんは11月を何度言っても忘れがち、、そんな皆をシングルであれやこれや引き受ける崎山さんは限りなくマイペース、終電を茅ヶ崎まで乗り過ごしたりする、、、
そんな女性陣に囲まれた奥原さんは熱くなりすぎにダメが出て女子のよに悔しがり、正一は根から持っている明るさを初めて見せ、ある意味のムードメーカーとなり、そのおば役である湯本さんはドンとこい、で、修子さんは初取組(僕演出と)にしてきわめて自由、二人共現場を強く大きく支えている。
オードリー(ヘップバーン)もマクレーン(シャーリー)もいないけど(僕はシャーリー・マクレーンの大ファンである)、誰が欠けても今回の「子供の時間」は紡げなかったし(それはスタッフさん一人一人にも言える)、一筋縄ではいかない人のダメさ、どうしようもなさ、そして愛おしさが溢れる舞台上となって欲しい。
輝ける一瞬のために。
その為の『準備』の大切さ。
これに尽きる。
空気とか、危うい誰も意図していない気分、みたいなものにごまかされないように流されないようにー

本日はご来場ありがとうございます。狭い所で恐縮ですが、約2時間15分の旅、どうか最後までごゆっくりご覧ください。そして願わくは、この時間を共有してくださる方々が、いろんな感想を持って呑み屋ででも盛り上がってくれ(新宿はそれはもういい呑み屋が日本一沢山あるー何の話だ‥とは言え、忘年会のシーズンなのでお店が空かないかもですが)、実際に隣のテーブルのお客さんに呟いてもらったりして(もちろん、SNSなどで呟いてもらってもいいです(笑))、こうゆう企画がまた皆様の前にお目見えする機会となることを。



藤井ごう


2019年12月24日(火)
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